米 アップル は今まさに、スティーブ・ジョブズ氏のカリスマ性やプレゼンテーション力について言われた「現実歪曲(わいきょく)空間」を必要としているのかもしれない。時価総額が世界首位のアップルにとって、いくつかの現実がしばらく前から明らかになっている。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」は買い替え需要の鈍化で2024年下半期の売上高が前年同期比1.6%増にとどまった。全体の売上高の半分以上を占める同事業が低調であるにもかかわらず、同社の株価は好調だ。過去12カ月間の株価上昇率はテック大手の大半をアウトパフォームし、バリュエーションは最近までその全社を上回っていた。