いつも嫌なことが頭の中をぐるぐる巡ったり、「あの人のことを考えると不安やイライラが止まらない」と感じることはないだろうか。そんなとき、まず大切なのは、問題を解決しようとする前に、一度「ストレスをリセット」することだ。『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)では、ストレスを抱えやすい人のために、科学的に実証された気分転換の方法や問題解決のスキルを多数紹介している。本書は単なる事後対処にとどまらず、そもそもストレスを寄せつけない体質をつくる方法についても解説。ベストセラー『エッセンシャル思考』の著者グレッグ・マキューンも「この本は、人生の本質的でない混乱から抜け出したいと願うすべての人にとって、必読の救いの書である」と絶賛。今回は発売を記念して、特別に本書の内容を一部抜粋、再編集してお届けする。

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紙に書き出して「見える化」する

頭の中をぐるぐる巡る考えを紙に書き出し、目に見えるリストにして実際に取り組みやすくしよう。

さらに、一番自分を不安にさせていることや、差し迫っていることを特定する。

とくにないなら、終えればすっきりする「難しすぎないタスク」から始めて自信を高めよう。

目標を明確にする「SMART目標」

どのタスクに取り組むかを選んだら、それを「SMART目標」に落とし込む。

「SMART」とは

Specific(具体的)
Measurable(測定可能)
Achievable(達成可能)
Realistic(現実的)
Time-sensitive(時間を意識した)

の頭文字を並べたものだ。

たとえば、「上司がびっくりするようなすごい企画書をつくる!」と考えると漠然としすぎていて気が重くなるが、「20分タイマーをかけて、見つけた情報をすばやくまとめる」 といった具体的で妥当な目標を設定するというコンセプトだ。

スマホなど気を散らすものを片づける

スマホは引き出しにしまい、パソコンのブラウザやタブをすべて閉じるなど、気を散らすものをなくして準備を整えよう。

難しいことをやり遂げたければ、一度に1つのことだけやるのがベストだ。

「完璧な仕上がり」ではなく、「自己管理」を目標にする

考えがまとまらない、先延ばししたい、あるいは不快な感情が湧いてくる―それに気づいた上でタスクをやり続けよう。

たとえば「完璧な仕上がり」をゴールにするのではなく、「自己管理」を目標にする。

そうすればタスクが終わったときには、次のタスクに手をつけたいと思うくらいエネルギーが湧いているかもしれないので、ぜひ試してみてほしい。

そのタスクだけのための時間を予定に入れ、ただやることが山積みになった状態から、実行可能な計画をつくっていく。

先延ばしの悪循環を断ち切る

今まで回避していたことにこの問題解決スキルを使えば、ToDoリストがどんどん長くなる、果てしなくストレスを感じるといったことからも解放される。

手持ちのお金がなくてクレジットカードで買い物をするのと似ているが、先延ばしするとその瞬間は自由になれても、結局はあとで払わなければいけない。

しかし、問題を解決することを学ぶとストレスも改善し、自分の能力への自信もつく。

やる前の不安より、まずはとりかかることが大事

たいていは実際それをやっている時間よりも、「やらなければ……」と考えている時間のほうが長いものだ。

不快なことを避けてラクなほうに流れるのは自然なことだが、自分も目標に向かって一歩踏み出せることを自覚し、しかも実際に行動を起こすことで「自分にはできない」という呪縛から解放されるのだ。

※『瞬間ストレスリセット』では、科学的に短時間でストレスを解消できる方法や問題解決スキルを多数紹介。その場しのぎではなく、ストレスに強くなるための習慣や対策(ストレス耐性を高める方法)も幅広く取り上げています。