悩む中年ビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

不動産投資は不労所得――そう考える人は多いが、現実はそんなに甘くない。実際に物件を持てば、修繕やクレーム対応、業者との交渉に振り回され、気づけばサラリーマン業との両立に疲弊することも…。一棟の賃貸ビルを所有し、家賃収入が月75万円の現役兼業大家は、利回りは15%近いが、管理の手間と費用は想像を絶すると明かした。机上の計算ではわからない、不動産投資のリアルな実態を明かしていく。(現役サラリーマン大家L)

月収75万円のマンション大家は
なぜ苦しいのか?

「不動産は不労所得だから寝ているだけでお金が入ってくるんでしょ。やっぱり会社員をやりながらの不動産投資が一番楽だよね」

 ……これは大きな勘違いです。もしあなたが不労所得を探しているなら、まずはインデックス投資を検討してください。なぜなら、米国の大手IT企業などの世界的にも優秀な人たちが出した成果を、自分が寝ている間も働いて価値を増加させ、その一部を還元してくれる。最高だと思います。

 何より税制も優遇された新NISAは素晴らしい。私が不動産を買う前につくっておいてほしかった、と恨み節を言いたくなります。ちなみに、昨年頭から始めた投資信託のオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式〈オール・カントリー〉」の略称)は利回りは年明けまで13%後半で推移していたものの、世界的な株安の影響を受けて現在は4.3%まで激減してしまいました…。

 ただ、一時的に評価損益が上がったり下がったりしても、長期で見れば増えていくと信じるしかありません。逆に言えば、信じてさえいれば何の手間暇もかからない点は不動産投資と比べて大きなメリットです。

※インデックス投資は元本を保証するものではないので、投資の際は自己責任でお願いします。

 一方の不動産投資はどうか。現役の不動産オーナーの立場から言わせてもらうと、不動産投資は不労所得ではありません。勤労こそないものの、不労と呼ぶにはあまりに手間もお金もかかります。

 金額に何十万円も差がある見積もりの内容を精査したり、不動産仲介会社からの電話におびえたり、住民のクレームに対処したり、毎日ゴリゴリ削られます。そんな内幕を「現役サラリーマン大家」が明かしていきます。