「信託報酬」が安いのもオルカンの特長!
“除く日本”を選ぶべきなのはどんな人?

それでは、オルカンの2つ目の特長、「手数料が安い」ですね。

まず投資信託の「3つの手数料」を解説します。あまり理解されてない人も多いので、説明しますね。
まず1つ目。投資信託は持っている間、保有中に「信託報酬」という手数料が毎日かかります。こちらは要チェックなので、後ほど詳しく解説します。
2つ目は、買うときにかかる「購入時手数料」。ただし、これはNISAのつみたて投資枠ではどの金融機関で買っても0円ですし、ネット証券大手の楽天証券とかSBI証券でしたら0円ですので、あまり気にしなくていいです。そして3つ目、売るときに「信託財産留保額」というのがかかるのですが、こちらも投資信託によっては0円が多いので、気にしなくていいでしょう。

1つ目の「信託報酬」が重要ということでしたが、これは「年1回」とかではなくて「毎日」かかるのですね?

そうですね。一応、年間の信託報酬率が示されているのですが、実際には日割りで引かれています。基準価額という投資信託の価格があって、これは信託報酬が差し引かれたあとの数字になっています。

私たちが証券会社のサイト上で見ている投資信託の価格は、この信託報酬を反映した後の数字ということなのですね?

そうです。毎日引かれているので、最もチェックすべきコストといえます。

そして、このコストが安いのがオルカンだと思うのですが、そのワケは何なのでしょうか?

これを説明するには、先にインデックス型とアクティブ型について解説しましょう。投資信託にはこの2種類がありまして、朝日さんはインデックス型が何かわかりますか?

インデックス型は、指数に連動するタイプですよね?

そうです。日経平均株価とか米国のS&P500などの代表的な指数に連動するので、相対的に信託報酬が安いです。0.1パーセント以下のものも多い。その中でもeMAXIS Slimのオルカンは特に信託報酬が安い商品なので、すごくメリットになりますね。
もう1つ、アクティブ型とは何かわかりますか?

「アクティブ」というくらいなので、銘柄の入れ替えが多いとか?

たしかに銘柄の入れ替えが多い商品もあるかもしれませんが、基本的には指数を上回る成績を目指して運用している投資信託のことです。こちらはプロが独自に投資先を選定しますので、手間がかかる分、信託報酬はインデックス型よりもやや高い投資信託が多いですね。

指数を上回ることを目指すのがアクティブ型ってことなのですが、実際どうなんでしょう? 勝っている商品が多いのですか?

勝っている年も多いですけど、負けている年もあるので、好成績のものを選ぶようにしなければいけません。アクティブ型は、コストよりも成績を重視して選ぶというのが正解になります。

アクティブ型は特に見極める力みたいなものが必要になってくるのですね。一方でオルカンはインデックス型なので、コストが安いというのがメリットの1つです。
「指数に連動する」と何度も言っていますが、具体的に、全世界株型の投資信託は何に連動しているのでしょうか?

全世界株型が連動する指数が主に3つあります。ここに挙げた3つです。eMAXIS Slimのオルカンが連動しているのが「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」です。また、ほぼ同じ名前の指数ですが、日本が除かれているものがもう1つ。

除かれちゃった…なんで? 悲しい…。

これは、例えば日本株を個別株で持ってる人はそうな「(除く日本)」のほうを選ぶのがいいかなということです。

自分の投資先全体を見た時に、「日本株は十分持っている」という人が戦略的にこちらを選ぶという感じなのですね。

あとは、「日本なんてこの先は全然成長しないだろう」と思っている人は、こちらを買ってもいいでしょう。
さらにもう1つ、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」もあります。これは指数を作っている会社が先ほどの2つと違います。こちらは大型株から中古型株まで色々組み入れられている全世界株型の指数です。
成績を見てみますと、3ついずれも大差ありません。

「1年」というのは直近1年、これは2024年9月末時点のデータなので、2023年の9月ぐらいからのデータですね。

オルカンなどインデックス型の場合、指数による成績の違いは気にしなくて大丈夫です。