いつも謙虚で控えめなのに、なぜか一目置かれる人がしていることとは? 世界で話題となり、日本でも20万部を超えたベストセラー『「静かな人」の戦略書』の著者、ジル・チャンが待望の新作を刊行。謙虚な人ならではの作戦を伝授する『「謙虚な人」の作戦帳――誰もが前に出たがる世界で控えめな人がうまくいく法』だ。台湾発、異例のベストセラーとなっている同書より、特別に内容の一部を公開する。

新人で「いきなり結果を出す」のは頭が悪い。では、頭のいい人はどうする?Photo: Adobe Stock

いきなり「できる人アピール」はNG

 もしあなたがインターンや新入社員、あるいは新しいチーム/会社に加入したばかりだとしたら、ぜひとも覚えておいてほしい。いまは堂々と「まだわかりません!」「まだできません!」と言える貴重な時期なのだと。

 それはあなたの理想とは違うかもしれない。

 あなたはいち早く新しい環境に溶け込み、自分が即戦力になることを証明し、過去の経験や人脈を役立てて、よりよいチャンスをつかみたいと思っているだろう。

 みんな、登場するなり周囲を驚かせて、将来有望なモンスター級の新人だと思われたいものだ。

 だが、はっきり言おう。

 そういう誤った期待が、あなたの自己不信を悪化させるのだ。

 新しい環境に慣れるには、一般的に3~6か月が必要とされている。

 さらに、ほとんどのことに余裕を持って対応できるようになったと感じられるまでには、およそ1年が必要だ。

グーグルが新人を育てる方法

 グーグルで働く友人によると、グーグルは入社してから6か月間は「仕事の業績を一切求めない」という。

 グーグルに入りたがっている人は無数にいると知っている新入社員は、入社したからには何とかして自分の価値を証明しなくてはならない、というプレッシャーにさらされる。だからこそグーグルは、最初の半年間は「新人でいなさい」とわざわざ明示しているのだ。

 では、そのあいだは何をすればいいのだろうか。

「参加したい会議があれば参加して、試したいことがあれば試す。とにかくあちこち見学して、あれこれ学んで、どんどん質問する」のだと友人は言った。

 もちろん、あらゆる会社がグーグルのように半年間の猶予を設けているわけではない。

 だが、新人にベテランと同じパフォーマンスを期待する会社はない。上司も同僚も、その点は心得ている。

「溶け込んでいない」という強み

 想像してみてほしい。

 たとえばベテランの自動車修理工が、A工場からB工場に移ったとしよう。

 彼の技能は100パーセント移行できるにしても、以前とは異なる動線、工程、工具の位置、チーム編成、企業文化などに慣れるまでには、やはりそれなりの時間が必要だろう。それに、A工場とB工場でそっくり同じ仕事をするわけでもない。

 であれば、新人としてのあなたがすべき主な仕事は、「質問すること」「ほかの人をサポートすること」(「お手伝いできることはありますか?」を口癖にしよう)と「サポートを受けること」(新人なんだから、わからなくて当然)、そして「学ぶこと」だ。

 私を信じてほしい。

 上司には新人に「何か質問はない?」といちいち確認する時間はない。だから主体的に質問することは上司の助けにもなる。

 自分に対する忍耐力を持って、「ほかの人よりどれだけ遅れているか」ではなく、「毎日しっかり学び、積極的に前へ進む」ことに重点を置こう。

(本記事は、ジル・チャン著『「謙虚な人」の作戦帳』からの抜粋です)