「静かで控えめ」は賢者の戦略──。そう説くのは、台湾出身、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャンだ。同氏による世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』は、聞く力、気配り、謙虚、冷静、観察眼など、内向的な人が持つ特有の能力の秘密を解き明かしている。騒がしい世の中で静かな人がその潜在能力を最大限に発揮する方法とは? 同書の著者に秘訣を教えてもらった。(構成/ダイヤモンド社・佐藤 里咲)

【一生使える】どんなときでも一瞬で前向きになれる「すごい一言」Photo: Adobe Stock

Q. 内向型でよかったと思うことは何ですか?

──ジルさんが自分で思う、内向型でよかったと思うことを教えてください。またそう思った具体的なエピソードがあれば教えてください。

いつでも自由でいれること

ジル・チャン氏(以下、チャン氏) 私が内向型でよかったと思うことは「いつでも自由でいれること」です。

 内向型の人は外向型の人と比べて、一人の時間が好きな人が多いですよね。内向型の人は内なる世界が好きで、外部からの刺激をそれほど必要としないんです。

 以前、とても外向的な性格の親友が突然電話をかけてきて、「人生で初めて、一人で映画を見に行ったんだ」と興奮した声で教えてくれたことがありました。

 そのとき、内向型の自分はなんでも一人ですることが多くて、映画もむしろ一人で行くほうが好きなくらいなので、内向型と外向型にはやっぱり大きな違いがあるんだなと思ったものです。

 そして一人でなんでもできるということは、ある意味、自由に行動する機会に恵まれているということかもしれないなと思いました。

「自分は自由だ」と自分につぶやく

チャン氏 もう一つ、エピソードを共有させてください。

 私の元上司で、超外向型の起業家がいます。彼は出張に行くときに、必ず誰かと一緒に行きたいと言います。その出張先に向かう道中だけでなく、ホテルに到着した後も部屋に同行者を招くそうです。

 それを聞いて、ずっと人と一緒にいたいという気持ちが強すぎるのは、ちょっと窮屈じゃないかなと思いました。

 私はよく一人で旅行をし、一人で新しい場所を散策します。また、一人で食事をし、一人で展覧会に行き、一人で野球観戦を楽しみます。

 もちろん、他の人と時間を過ごすときも楽しんでいますが、一人の時間を楽しむことにも100%満足しています。

 そして、この「一人でなんでもできる」という感覚は、精神的にも大きな助けになっています。

 仕事やプライベートでちょっと大変なときでも、「自分は自由だ。いざとなったら、一人でなんでもできる」と自分で自分に一言かけるだけで、気持ちを前向きにすることができるんです。

※本記事は、『「静かな人」の戦略書』の著者に話をうかがったものです。