「全社員に買って配りました」
「入社する人への課題図書にしています」

そんな声が多数寄せられているのが、書籍『ベンチャーの作法 -「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術』です。転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さんが、1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験から、ベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめました。“きれいごと”抜きの仕事論に、社員や経営者、ベンチャーや大企業を問わず、刊行直後から多数の感想が投稿される異例の反響となっています。
この記事では、本書に大いに共感したという読者のひとり、株式会社ウィルゲートの共同創業者・専務取締役である吉岡諒さんに、本書からの気づきを語っていただきました(ダイヤモンド社書籍編集局)。

「結果を出せばいい」ではダメ! 在宅勤務で「孤立しない人」がやっていること・ベスト2Photo: Adobe Stock

「個人で結果を出す」よりも大事なこと

 ベンチャーやスタートアップでは、主体的に行動して結果を出せる人が活躍します。

 一方で『ベンチャーの作法』でも指摘されているように、個人プレーに走る人や、協調性のない「ブリリアントジャーク」のような人は評価されません。

 当然ですが、仕事は一人で頑張るよりも10人、50人、100人と、力を合わせた方が大きな結果を出せますから、「人間関係の構築力」も重要なのです。

リモートワークでも「人間関係」を構築するには

 とくに、リモートワークしている人が多いベンチャーにおいては人間関係の構築力は必須のスキルです。

 弊社も出社は週1回のみで、週4日は在宅勤務を認めています。まだ幼い3人の子どもがいる私も、在宅勤務をしています。

 一方で、新メンバーの歓迎会や飲み会には全部参加しています。
 
同じ席に長くはとどまらず、各テーブルをラウンドして、できるだけたくさんの人と話すように心がけています。二次会にも顔を出し、一次会で話せなかった人の隣に座って話すなど努力しています。

 ほぼフルリモートの私にとって飲み会は、人間関係をつくる貴重なチャンスだからです。

出社の目的は「コミュニケーション」

 出社するときは、かなり意識的に社員に話しかけるようにしています。

 社内で会った人には、「息子さんは何歳になったの?」「もう幼稚園入ったの?」とか、そんな世間話をします。

 そうしないと、「なんのために会社にいったのか」と思ってしまうんです。せっかく貴重な時間を使って会社に行くのだから、それに見合う成果を出したいなと。

 そう、仲間とコミュニケーションをとって関係性を深めることは、チームで成果を出すために大切なことなんです。

リモートワークだからこそ、「コミュニケーション」に本気になろう

「自分の仕事の結果だけ出せばいい」
「同僚とコミュニケーションをとりたくない」
「飲み会なんてめんどくさい」

 そうなると、会社は「リモートワークをやめましょう」と言うしかなくなります。

 リモートワークは、みんなの努力によってギリギリ成り立っているものです。「それが当たり前の権利だ」と考えて努力を怠ると、仕事が円滑に回らなくなります。

 それに、コミュニケーションを疎かにする人は、困ったときに仲間から助けてもらえません。
 顔と名前が一致していて、普段から気軽に会話するような仲でないと、その人のために自分の時間を削って一肌脱ごうとはなりませんからね。

 社内で良好な関係性を築いていける人だけが、仲間の助けを得て、自分の能力を超えた大きな結果を出せるのだと思います。

「結果を出せばいい」ではダメ! 在宅勤務で「孤立しない人」がやっていること・ベスト2吉岡 諒(よしおか・りょう)
1986年、岡山生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。高校卒業3日後に学生起業。株式会社ウィルゲートを経営。現在は、専務取締役兼M&A事業の管掌役員を務める。Google【SEO対策】1位獲得、SEOで7800社の支援。M&A仲介【ウィルゲートM&A】は5年で73件成約。2018年にSEO AIツール「TACT SEO」、2021年にSNSを活用した営業支援「ソーシャルセリング」、2022年に人材支援「プロトル」、2024年に企業データベース「アポトル」をリリース。

(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』に関連した書き下ろしです。書籍では「なにがあっても結果を出す人の働き方」を多数紹介しています。)