日本は長期金利「1.1~1.9%」TOPIX「3000pt超え」がメインシナリオ、バリュー株が有利?Photo:PIXTA

長期金利16年ぶり1.5%台
軟調の日本株、今後の展開は?

 日本銀行は3月18日、19日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めた。

 決定会合後の会見で植田和男総裁は、関税引き上げなどのトランプ経済政策の影響で米国や海外経済の不確実性が高いとしたが、国内経済については、春闘の大手集中回答の高い賃上げについて「想定通りの中でも、やや強め」と評価し、「経済・物価見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との従来のスタンスを維持した。

 この日銀の利上げ継続姿勢に対する市場の織り込みが進んだことなどから日本の長期金利(10年国債金利)は1.5%台と、24年年末の約1.1%から3カ月たたないうちに40bp以上も上昇し、09年以来約16年ぶりの高水準となっている。

 筆者の試算では、今後も長期金利は「1.10~1.85%」のボックス圏で推移すると予想され、株式市場もこの金利水準を前提にした展開が予想される。

 先行きについては米国経済の動向が大きく影響するが、トランプ政権の関税引き上げ政策の悪影響を受けながらも、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げによって景気後退やスタグフレーションを回避するというのが筆者のメインシナリオだ。

 このところ米株式市場の急落などがあって軟調の日本株だが、25年度末のTOPIXは3000ptを上回ると予想する。