「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

【一発アウト】職場で信頼を失う管理職は「あのときああしていればよかった」と言う。じゃあ、信頼できる管理職は何と言う?Photo: Adobe Stock

「その決断」が未来をつくる

 後悔をなくすことなんて、果たしてできるのでしょうか。

 ためしに、10代の頃の判断を振り返ってみましょう。
 きっと、「あの頃はおかしかった」と笑い飛ばせるはずです。

 いまのあなたには、大人としての視点がある。
 当時は「これが大事だ」と思っていたことが、今では「どうでもいい」と思える。

 時間が経ったことにより、感情より理性が勝るのです

 だったら、今からの意思決定は、できるだけ「未来からの視点」でおこなうことです

 難しいかもしれませんが、数年後の自分が後悔しない選択をする。

 そのための「ちょっとした勇気」を出す。
 一度、出した勇気は、「仕組み」のように、もう一度できるようになります。

 日々のちょっとした決断の連続によって、個人や組織は変わっていきます。

 一発逆転は、早々起こりません。
 高額な買い物で得た満足感は、すぐに落ち着きます。

 それよりも、日々、使うものによって満足を得続けるほうがいい

 やはり、今日1日の意思決定を大事にすることから始めるしかないのです
 その決断が、未来を作ります。

「あのときああしていればよかった」と言うダメ管理職

 人生には、「トレードオフ(両立できない関係性)」が問われるときがあります。

 それは、選択肢の中から1つを選んだとき、他の選択肢を捨てないといけないような場面です。

 結婚相手を1人に絞ったり、内定先を数社からもらっていて1社を選んだり……。
 人生ではトレードオフの場面が何度か訪れます。

 トレードオフの場面で選んだものは、あとから後悔しても何の意味もありません

 もし、その選択をしなかったら、事故に遭って死んでいたかもしれない。
 もし、第一志望に受かっていたら、運命を変える人に会っていないかもしれない。

 そういうリスクも含めて、今の自分がいるのです。
 さまざまな世界線があるということです。

 だから、「あのときああしていればよかった」と考える時間は、本質的に意味がない

 それなのに、ダメ管理職は、つい「ああしていればよかった」と語ってしまうのです。
 いい管理職は、つねに未来を見ています。「次はどうする?」ということを問い続けるのです。

 そう考えると、いま与えられた環境で、未来のことを考えるほうが大事ということに気づくはずです。

 いかなるときも、そこに考えを切り替える。
 そのきっかけとして、「パーフェクトな意思決定」という考えを思い出すようにしてください。

(本稿は、パーフェクトな意思決定の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。