会社やチームのリーダーとして、いま、求められているリーダーとはなんだろうか? 責任をとること? 部下やメンバーの話をよく聞いて、仲を深めること?
『リーダーの言語化 「あいまいな思考」を「伝わる言葉」にする方法』の著者である木暮太一氏は、リーダーの本来の役割は、どこに向かって進むべきかを「言葉で明確に伝えること」だと話す。本記事では、木暮氏に「言語化」について教えてもらう。

やり方を変えない理由は「抵抗」ではない
「前からずっとこのやり方でやってきたから」
「でも、今のやり方でもうまくいってると思うんですけど……」
「新しいやり方を覚えるのが大変で……」
こんなフレーズを聞くと、ほとんどのリーダーはイライラしますよね。
その気持ちはよくわかります。特に変化の激しい時代、組織として新しい取り組みを始めようとしているときに、メンバーがやり方を変えようとしないのは大きなストレスになります。
多くのリーダーは、こんな状況に直面すると「メンバーにやる気がない、手を抜いている」と捉えがちです。また、「変化を嫌がっている」「面倒くさがっている」「保守的だ」など、メンバーの姿勢や性格の問題だと思ってしまいます。
でも、本当にそうでしょうか?
実際の現場では、メンバーがやり方を変えないのは「抵抗」ではなく、別の理由があることがほとんどです。
やり方を変えられない4つの理由
メンバーがやり方を変えられないのは、次の4つの理由がほとんどです。
1. 何を変えればいいのかが明確になっていない
「もっと効率的にやろう」「これまでのプロダクト・アウトの発想をやめて、顧客視点で考えよう」と言われても、具体的に何をどう変えればいいのかわからないことがあります。もっと効率的なやり方をしよう、デジタル化させよう、など総論としてはわかっても、各論で「何」をすべきかがわかりません。
2. なぜ変える必要があるのかが理解できていない
「なぜ今のやり方ではダメなのか」「新しいやり方にどんなメリットがあるのか」の説明が不十分だと、変える動機が生まれません。
3. 変えることによるリスクが高すぎると感じている
新しく、自分が慣れていないやり方を試して失敗したときに責任を問われることを不安に感じる人もいます。そして、安全策として現状維持を選んでいることがあります。
4. 変える能力や資源(時間・ツールなど)が足りない
変えたくても、やり方を変えるための知識やスキル、時間などのリソースが足りなくて、変えられない場合もあります。
つまり、メンバーが変えようとしないのは「意志の問題」ではなく「条件の問題」なのです。
そしてその場合、リーダーの役割は「説得」ではなく「条件整備」が重要になります。