自分の生き方や置かれた状況に「悩む人」がいる一方で、同じ環境にいても「悩まない人」がいます。ではどうすれば、「悩みやすい不幸体質」を卒業して、「絶対に悩まない人」になれるのでしょう。
その方法を教えてくれるのが、書籍『不自由から学べること』です。12歳からの6年間を「修道院」で過ごした著者が、あらゆることが禁止された暮らしで身につけた「しんどい現実に悩まなくなる33の考え方」を紹介。悲観でも楽観でもない、現実に対するまったく新しい視点に、「現実の見方が変わり、モヤモヤがスッと晴れた」といった声が多数寄せられています。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「現実に前向きになれる考え方」を紹介します。

不自由な現実から「学び」を得てみる
しんどい現実を変えることはできません。でもそこに「肯定的な意味」を見出せたら、とらえ方が変わります。
それができる人は、たとえ思いどおりにいかない人生であっても、悩むことなく前を向いて生きていけるでしょう。
というより、現実なんて思いどおりにいかないことだらけです。そんな世界を生き抜くには必須の力とも言えます。
不自由な現実の「意味」を、視点を変えてとらえ直す。それは特別な訓練や、能力がないとできないことではありません。
でも、簡単なことでもありません。現実の見方は、人生で培った経験や価値観によって無意識のうちに固定されるもの。「視点を変えろ」なんて言われてすぐにできれば、誰も苦労しませんよね。
そこでこの本では、現実をとらえ直すための「視点」を授けたいと思います。
それは、「学びがないか考えてみる」というものです。
「ある環境」が、現実の捉え方を変える視点を授けてくれた
私は、今では不自由な現実の意味を肯定的にとらえられるようになりましたが、それは「ある環境」で過ごしたことがきっかけでした。
当時はその環境を「とても不自由だ」と感じていましたが、今になって振り返ると、その環境はさまざまな学びを私に与えてくれました。その学びに気づいてからは、私の不自由だった過去は「嫌な思い出」ではなく、「生きる力をくれた大切な過去」になりました。
そして、現実で不自由さを感じても前向きにとらえられるようになったのです。
では、その考え方を授けてくれた「ある環境」について、ご説明します。不自由な現実をとらえ直す、いえ、そうせざるを得なかった。
「不自由さ」しかなかった、あの環境について。
12歳の私は「塀の中」にいた
はじめまして。川原マリアと申します。
着物デザイナーとして京都を中心に活動するかたわら、伝統産業に関するブランドの立ち上げや、地方創生事業など日本の観光に関わる仕事をしています。自身の着物ブランドを立ち上げ、「Forbes JAPAN」や「ニューヨーク・タイムズ」などのメディアで活動を紹介いただいたこともあります。モデルとしても活動し、SNSでは10万人以上の方にフォローいただいております。
このように書くと、まるで順風満帆な人生かのように見えますが、そうではありませんでした。
まず、私はとても貧しい家庭に生まれました。
長崎県の有明海を望む地域で、母子家庭の6人兄弟の末っ子として育ちました。望んだものが買い与えられることなど滅多にない生活で、学校に持って行く裁縫道具や服は、どれも使い古されたものばかりでした。
友達が持っている流行りのゲームを買い与えられることもないし、リカちゃん人形やシルバニアファミリーの人形で遊ぶなんて、夢のまた夢。お金がないから習い事もできませんでした。
田舎の小高い山によく登り、街と有明海を眺めながら「いつか絶対に、この不自由な家と街を出るんだ」と心に決めていました。
それから数年後、12歳の私は塀の中にいました。
といっても、監獄ではありません。
まるで監獄のような、自由のない世界。
そこは、修道院でした。