いつも浅い話ばかりで、深い会話ができない」「踏み込んだ質問は避けて、当たり障りのない話ばかりしてしまう」上司や部下・同僚、取引先・お客さん、家族・友人との人間関係がうまくいかず「このままでいいのか」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
世界16カ国で続々刊行され、累計26万部を超えるベストセラーとなった『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』から「人生が変わるコミュニケーションの技術と考え方」を本記事で紹介します。

「私も行ったことがある!」と言う人は頭が悪い。頭がいい人はどう話している?Photo: Adobe Stock

相手の話を遮らず、質問をする

 相手に何かを尋ねても、数秒で話を遮り、自分のことを話し始める人がいる。

「島への旅行はどうだった? 何かいいことあった?」

「音楽祭に行ったんだけど、楽しかったよ。あと、海岸沿いを走る素敵なサイクリングロードもあった。それから─」

「ああ、何年か前に、ジェイクと一緒にその音楽祭に行ったことがあるわ。彼と旅行に行き出した頃の話よ。あの音楽祭、最高だったわ。でも夜は寒かった! 凍えるくらいね。6月だったから、コートをもっていくことなんて考えてもみなかった。あの島の天気がどんなふうに変わるのか、痛い目に遭いながら学ぶことになったわ─」

 こんなふうに人の話を遮れば、会話が台無しになることは誰もが知っている。

「あの人が大好き! こっちが話し始めるとすぐに口を挟んでくるし、何度も自分の意見を繰り返してくる……なんてすばらしいんだろう!」と言う人に私は会ったことがない。

 もちろん、こうした行為は苛立たしい。

 とはいえ私たちは、なぜ人がそのようなことをするのか、その理由については深く考えようとしない。

 それは、相手の話を聞いていないことの表れなのだ。

 話を遮ったとたん、相手を理解しようとする努力を放棄し、自分の話をすることだけで頭がいっぱいになる。

 まくし立てるように話を続け、会話を乗っ取り、相手に話に加わる余地を与えようとしない。

 自分の意見を何度も繰り返すのは、相手の考えに興味がないことの証明だ。

 私たちは、自分の意見を押しつけようとするのではなく、相手に注意を向け、話に耳を傾け、理解するための方法を見つけなければならない。

 そのために必要になるのは、深い理解につながる適切な質問だ。

 それがないと、創造性や想像力、批判的に考える能力が失われてしまう。

 質問の焦点を絞ることで、私たちはこれらのスキルを身につけ、効果的かつ繊細な方法で、豊かで、自由で、複雑な会話ができるようになる。本書は、それを支援する。

(本記事は『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』の一部を抜粋・編集したものです)