「今回は違う」。偉大な投資家サー・ジョン・テンプルトンがよく口にしたように、これは投資において特に代償が大きい言葉の一つだ。「今回も同じだ」という言葉も、同様に代償が大きい可能性がある。ドナルド・トランプ米大統領が数十年に及ぶグローバル化の流れを一変させ、世界の貿易ルールを無視しようとしているため、市場が混乱しているのは当然だ。何も変わっていないと考えるのは愚かで、この混乱をただ無視することはできない。この混沌(こんとん)を乗り越えるには、多くの投資家――そして政策立案者ーーが感情的に混乱している時に、論理的に考える必要がある。強い不確実性は自動的に人間の脳に恐怖とストレスを引き起こし、生存に不可欠な原始的反応である「闘争・逃走反応」を引き起こす。恐怖を抱くと、ネガティブなものばかりに注意が向かう。社会的シグナルにひどく敏感になり、ワーキングメモリー(作動記憶)に支障が出て、柔軟に考えられなくなる。
トランプ氏が覆す経済の常識、投資家が取るべき次の行動とは
現時点で論理的に考えることは、かつてないほど難しいが重要
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