
米株価急落は「AIバブル」の調整
「相互関税」はどう作用する?
日米の株式市場は不安定な動きを続けている。
S&P500指数は3月28日、約2%という今年2番目となる大幅な下落を記録、その後も軟調だ。
4月3日に米トランプ政権が表明した「相互関税」は、主要機関の予想を超える厳しい内容で、市場の不透明感を一層、強めた。S&P500は時間外取引で3%超、下落。日経平均株価も一時1600円を超えて下落し、終値は前日比989円安の3万4735円と節目の3万5000円を下回った。
2024年11月の米大統領選挙でトランプ氏が当選して以降、米国株式市場は、トランプ政策の減税や規制緩和への期待から年初も順調に上昇を続けてきた。「トランプ・トレード」の活況が謳歌(おうか)されてきたが、ところが今年2月中旬、米国の景気懸念やトランプ関税を巡る不透明感から株価が急落した。
S&P500は直近の高値から一時10.1%下落、NASDAQ指数は同13.7%下落となった。経済指標に弱い内容が目立ちはじめる一方、トランプ関税の方針が二転三転するなど不透明感が高まり、市場では景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーションを懸念する声が徐々に増えた。こうした中、トランプ大統領が「大きなことをやるときは移行期間がある」と発言、これが「景気後退も辞さない」と受け止められ、株式市場は売りで反応した。
行き当たりばったりにしか見えない関税政策やトランプ大統領の発言が利益確定売りのきっかけになったことは、間違いない。
だが、トランプ氏が大統領選のときから「関税!関税!!」と繰り返していたことなどを考えると、筆者は、一連の売りは本質的には以前から指摘してきたとおり、AIバブルで割高なアメリカ株を売る“口実”になった面が大きいと考えている。
株価はだいぶ下落したとはいえ、益利回りなどから考えるとまた割高であり、3月以降の前兆に続いて相互関税の発動が再度の大幅下落の引き金になる可能性がある。