東京の消費者は、「添加物」「脂身」など健康に関連した不満や、「プラスチックを減らしてビニール包装にしてほしい」「捨てる時を考えてラベルをはがしやすくしてほしい」などゴミ問題・環境問題への声が、大阪よりも上位に来ている。

 対して大阪は、味そのものや、内容量、多い・少ないなどの食べ応えに関連した不満が多かった。個別のコメントでも「酸化しにくいゴマ油が欲しい」「豚まんの旨味をもっと上げて」「割安な大袋サイズの商品を出して」と、東京に比べて食そのものへのこだわりが強いのがうかがえた。

「食」を重点にしたアピールにより、たとえ値切れなくても大阪府民にキャッシュレスは受け入れられたようだが、肝心の万博メシが「不満」だらけにならないことを祈ろう。

インバウンドには優しい
キャッシュレス

 万博の主催側が期待しているのは、訪日外国人観光客たちだろう。関西の大手私鉄・地下鉄は、万博を意識しながら、カードのタッチ決済で乗車できる改札の整備を進めてきた。

 彼らはカードで電車やバスに乗って、そのカードで買い物もする。わざわざ日本円に両替しなくてもいいし、鉄道路線図とにらめっこしながらきっぷを購入しなくてもいい。この先カジノを含むIRを作るつもりなら、そのための決済インフラ整備は粛々と進んでいるということだ。

 筆者はさまざまな取材の場で、顔決済や手首決済などの生体キャッシュレス方式を体験してきた。万博の「ミャクペ!」でも、「顔決済」ができるというのが売りだ。顔の情報をアプリに登録しておけば、財布やスマホを出さずに、顔だけで支払いが済む。荷物で両手がふさがりがちな子連れファミリーなどに便利だと聞いた。

 万博同様、これらのキャッシュレス決済はその後のIRでも継続して利用されるのだろうか。現金に比べて決済がスムーズなので、ついカジノで使い過ぎました……なんてことになりませんように。