大阪万博で「現金」が使えない意外な理由「値切って当然」の大阪人は何を思う?大阪万博が開催されている夢州(写真はイメージです) Photo:PIXTA

大阪万博で話題を集めていることの一つに、全面的キャッシュレスの導入がある。「値切り」文化の大阪ではウケが悪いのでは?と思いきや、そうでもないらしい。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

現金は使用できない大阪万博
スリ被害も軽減できる?

 さまざまな意味で話題を集める「2025大阪・関西万博」がいよいよ開幕した。注目されるネタは数々あるが、すべての来場者が体験するのが「全面的キャッシュレス」だ。

 公式サイトには、万博会場内の買物、飲食ではキャッシュレス決済のみで、現金は使用できませんとある。キャッシュレスのメリットとして、(1)現金を持ち歩かないので、スリなどによる盗難被害が軽減される (2)お釣りのやり取りがないので会計がスムーズでスピーディ (3)支払い履歴が残る (4)ポイントが貯まるなどの特典あり……という、聞きなれたフレーズが並んでいる。

 なお、会場で使えるのはクレジットカード(国際ブランド付きデビットカード含む)、電子マネー(楽天Edy、nanaco、WAON、全国の交通系電子マネー他)、コード決済(PayPay、楽天ペイ、auPAY、d払いの他、ゆうちょペイ、ファミペイなど。及び海外のコード決済)等。いや待て、「EXPO2025 デジタルウォレット」を忘れてはいけない。

 公式サイトによると、「つかう/ためる/あつめる」機能と「つながる」機能を備えたアプリとのことだが、細かいことはさておき、その中の「ミャクペ!」が支払いを担当する。クレカや銀行口座からチャージして使う電子マネーで、会場内ではQRコードを読み取って支払えるほか、Visaのタッチ決済やiDに対応している。

 そもそも万博とは最先端技術のショーケースなのだから、現金なんて古臭い決済手段は不要と切って捨てたのがこの万博だ。そういえば、子どもたちを招待するという話があったが、スマホもクレカもデビットカードも持てない年齢の小学生は、プリペイドカードを持っていくしかない。「遠足のおやつは500円までです」なんて時代があったが、プリカのチャージ額はいくらまでなのか、ちょっと気になる。