まず、ホンハイは「フォックスコン」のニックネームで知られ、世界EMS市場のシェアは46.1%(23年実績)、売り上げ約32兆円、時価総額24兆円と台湾のトップ企業であり、その実績は「お客さまの信用の象徴」(関氏。以下同)であることを強調した。
EV事業では、「受託製造のBtoB(企業間取引)に徹し、自分のブランドでは売らない。日本のOEMとの連携・協業には、EV事業拡大を図るオポチュニティー(機会)が大きい」と、ポジションを明確にした上で、日本企業への期待感を示した。
もともと、ホンハイはEV戦略において、2つのビジネスを使い分けている。高価格帯EVでは、メーカー側が企画や設計を行うCMS(製造受託)を、低価格帯EVではデザインや基本設計もホンハイが行うCDMS(設計・製造受託)を行っている。

その上で、CDMSを展開する上でベースとなる、ホンハイが開発するモデル車両の紹介を行った。Cセグメント乗用車EVの「モデルC」を手始めに、伊ピニンファリーナがデザインした「モデルB」、MPV(多目的車)の「モデルD」、A・Bセグメントの中間に位置するMPVの「モデルA」、バス型の「モデルT」、マイクロバスの「モデルU」など8プラットフォームのラインアップをそろえており、ニーズに応じて受託製造できる体制とする。
このうち、モデルBが日本車メーカーブランドで26年からオセアニア市場に投入されることを明かした。関氏は言及しなかったが、このメーカーは一足先にホンハイへEVの生産委託をすることが明らかとなった、三菱自動車工業を指すものだ。
また、モデルAはホンハイの子会社となっているシャープが昨年9月にホンハイと共同でEV進出を発表した際にコンセプトモデルとして公開されたもので、このモデルAを多目的EVとして26年後半にも投入する予定であることを明かした。
ホンハイ協業先の本命は
やはり日産だ
さて、OEMとの協業への期待感を強調した関氏だが、その“大本命”は、やはり日産と考えるのが極めて自然だ。