毒舌は、制約やルールがあるからこそ面白い

西堀:今、テレビ以外の人たちのほうが一番キツいことを言いますからね。ホリエモンが一番言えてますよ(笑)。でも毒舌って、制約やルールがあるからこそ面白いと思うんです。

――制約がある中でも面白くいられる人の毒舌が残る、と。昨年から急激に芸人さんやテレビ界の様相も変わっていますが、これからの時代にも受け入れられるキレ芸や毒舌って難しいですよね。どうお考えですか?

西堀:僕ら、40を過ぎてピークを迎えたわけですけど、ここから売れるのはもちろん大事です。でも、もうある程度やりたいこともやれることも、全部やろうかなと思ってますね。芸人も、よほど大ブレイクしないと60歳じゃさすがに仕事はもらえないでしょうし。だからあと何年芸人をやれるのかと考えると、その間にやれることは全部やって、何を言われてもいいやって。もはや自分たちが面白ければいい、面白がれればいい、みたいな感じなんです。

――よくわかります。他人から何を言われようと、自分たちが面白がれることが最上という境地ですよね。価値観や表現は、もちろん時代に合わせてアップデートしつつ。

西堀:やっぱり、死が近づいてきますよね。20代、30代のときには死を意識したことはなかったけど、いずれ死ぬんだなって思った時に、人に何を言われてもいいからやりたいことをやったらいいんじゃないかと。人に何を言われているか気にしながら死にたくないですよ。

『もう諦めた でも辞めない』書影マシンガンズ著『もう諦めた でも辞めない』(日経BP)

滝沢:僕らは会社員と違って、定まった業務があるわけではないので、自分で仕事を選べるというところではちょっと違うかもしれないですけど。質問の会社員の方も、ここまで頑張ってきたならもったいないって思うんですよね。会社で考えるか、人生で考えるか。仕事で他にやりたいことがあるなら会社を変えるのもいいし、人生で他にやりたいことがあるなら、仕事はそのまま続けるしかないし。

西堀:仕事がつらいって一番つらくないですか? 一番長いですよ、1日の中で。どうせ我々みんな、そのうち死ぬんですから。ストレスで追い詰められないように、今はタイミーもありますから(笑)。同僚と飲みに行って、会社や上司や他人の悪口を散々言って、それで解消できるなら辞めないほうがいいんじゃないですかね。

――会社の外の人生でやりたいことがあるなら、会社に長くしぶとく居続けられるように言動をアップデートして、ストレスはほかで上手に発散する生き方もありますもんね。まさに「辞めない極意」ですね。

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