西堀:みんな結果が出せないとどんどん辞めていくから、お笑いライブに出演しても、周りは若い後輩ばかりになって話し相手がいなくなるんですよね。だからおじさんがいると、うれしくてつい話し込んじゃうんです。

滝沢:若手ばかりのライブで僕らが喫煙所に行くと、急にみんな黙ったりするんですよ。あれは、ちょっとずつ追い出されているのと一緒だなと感じますね。やっぱり僕なんかはゴミ清掃員ばかりやっていたので、後輩からすれば、こんなゴリゴリの上の先輩に話しかけてもプラスになることがないと思われてしまうのも、しょうがないんだろうなぁと。ちょっと話しかけても、気を遣われているというか。

――どこの業界でも同じですね。それで居づらくなって、自分で引き際を決めるというおじさんもいますよね……。マシンガンズのお二人は、著書『もう諦めた でも辞めない』の中で「オファーがある限りは辞めることにメリットがない」とおっしゃっていますが、そんなお二人でも「ちょっとずつ追い出されるような空気」を感じていらっしゃったんですか。

滝沢:サッカーでいえば三浦カズさん、野球でいえば工藤公康さんみたいなプレイヤーだっていう話ですね。オファーがあるということは、まだ需要があるということ。だから辞める選択肢はなかったというのは事実です。

おじさんが何かいうと、すぐパワハラかセクハラになる

――今の時代、何か言うとすぐパワハラやセクハラになってしまうって、発言に怯えているおじさんが少なくありません。マシンガンズさんの準優勝ネタは、以前から変わらないいわゆる「キレ芸」ですけど、絶妙なバランスで現代にもフィットしていましたよね。

滝沢:僕はSNSでもゴミに関する発信をしていますけど、SNSの反応でも「いい人」ってあまりいないんですよ。クレームを言ってくる人はいるけど、みんな「正しいこと」を言っているつもりで。非人道的というわけではないけれど、物言いや見方がちょっと偏っているとかキツいとか、世間ではそういうのが求められていて面白がられている。でも、それは芸人の考える面白さとはちょっと違う気がしています。