
1998年にコンビを結成し、2008年ごろのショートネタブームでプチブレイクして以降、約15年間くすぶり続けてきた。だが結成16年以上の漫才師を対象とする賞レース「THE SECOND」で準優勝、15年前のネタで大爆笑をさらい、40代でまさかのピークを迎えた。「リニアが通ったくらいの衝撃です。突然駅ができて、乗っていいって言うから乗ったら、走り出した」(マシンガンズ・西堀亮)。再ブレイクを受け、その名も『もう諦めた でも辞めない』(日経BP)という書籍を出版した二人に聞く第3回のテーマは「コンプラ時代のおじさん・おばさんの生き方」だ。(聞き手/河崎 環)
部下を叱れない、残業もさせられなくて、自分が抱え込んでしまうのがつらい
【上司たちのパワハラを見て、本当に嫌だなと思いながら会社員生活を送ってきました。ところが管理職の年齢になって、自分も言動に気をつけねばと考えるあまり、部下を叱れない、言いたいことを言えない。結局すべて自分で抱えてしまい、部下には残業をさせないのに自分が代わりに残業する現状です。体力も気力もつらいです。】
(※質問内容は、編集部で作成した架空のモデルケースです)
――ネットでもよく見られる「加齢に唾すると自分に降ってくる」という言説があります。若いころは年上世代を「おじさんだ」「老害だ」と批判していたのに、しばらくすると今度は自分が「おじさん」「老害」と批判される年齢になっていて、立ち居振る舞いに困っている人がたくさんいるようなんです。気づいたら40、50歳になっていた、という……。
滝沢:先ほど、「THE SECOND」で準優勝した時、エントリーした結成16年以上のコンビ140組のうち、僕らが知っているのは半分の70組くらいだったという話をしましたけど。
――はい。1万組がM-1に、140組がTHE SECONDにエントリーしていることを考えると、15年後には1万組が140組になっているわけで、「世の中には芸人を辞めた人があふれているんだ」と。