
1998年結成のお笑いコンビ「マシンガンズ」。結成9年でテレビに出るようになったものの、その後仕事が減り、低迷する時期が続いていた。さらに2020年、コロナ禍に突入。お笑いライブは無観客――「芸人としてはこのまま緩やかに終わっていくのかな」と思いつつも、2人は“辞める”とは言わなかった。そして2023年5月、芸歴25年目にして再ブレイクを果たすことになる。それは……。
※本稿は、マシンガンズ著『もう諦めた でも辞めない』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。
芸人としては緩やかに終わっていくだろうと
――だんだん明るさも見えつつ、20年はコロナ禍に入ります。
滝沢 久々に芸人らしいことができたのが、BSフジの『お笑い成人式』(20年3月)。今も続いているんだけど、優勝したら1年間、BSフジの“キャンペーンボーイ”を務めるっていう漫才コンテストの特番で、初代優勝者になったんだよね。
コロナ禍の最初の頃だから、無観客。無観客でお笑いライブなんて誰もやったことがないから、意外とみんな苦戦してた。俺たちはむしろ、こういう時にこそ対応できちゃう。
西堀 我々はねぇ、荒れた場が強いんですよ。目を背けたくなるような現場のほうが、力を発揮できたりして。これもまぁ、「取れたな」ぐらいだけど、うれしかったですよ。でも考えてみたら、『THE SECOND』の原型みたいなコンセプトなんだよ。お笑いの世界に入って20年以上っていう縛りの、ベテラン同士の大会なので。
滝沢 コロナで一旦、僕もゴミ関連の仕事がストップするんですよね。予定していた講演会が全部ダメになった。それでまた、普通にゴミ清掃員としてフル稼働していたんだけど、今度は“コロナ禍での”ゴミ清掃員の本音、みたいなことを発信したら、「あ、確かに」っていう反響があって。
「ゴミはこういう出し方をしてください」っていうのを、奥さんにマンガで描いてもらったりしていたら、小池百合子都知事がリツイートしてくれて、ライブ配信での対談(20年5月)につながったという。
これとは別に、当時環境大臣だった小泉進次郎さんからも「任命したい」と連絡が来て、「サステナビリティ広報大使」の第1号になりました。
西堀 もう本格的なSDGs的なもののアイコンになってる。自分は、櫨山さんチームのドラマ『#リモラブ~普通の恋は邪道~』(20年)があったのと、『発明学会主催 身近なヒント発明展』に応募した「靴ブラシハンガー」が優良賞に選ばれました(20年12月)。うれしかったけど、暇だからやったって感じなんだよね(笑)。
21年12月には、YouTubeで「西堀ウォーカーチャンネル」を開設して。もう、することがないから。滝沢はゴミのほうで忙しくしているし、芸人としては「緩やかに終わっていくんだろうな」と思ってました。表立って「引退です」とは言わないけど、こうやって廃業していくのかなって、気持ち的には。
あまり悲観的ではなかったけど、「来年はどんな仕事してんだろ?」とずっと思ってたよ。何か商売を始めてみようかなとか。