しかし、本当にそれが唯一の道なのでしょうか。家族の時間を犠牲にし、精神的・肉体的な負担を抱え込む必要があるのでしょうか。

 わが家が目指したのは、

●送り迎えの負担なし
●塾のクラスメイトと成績を比較するストレスなし
●ママ友・パパ友関係の気疲れなし
●受験生に合わせた家事の追加・変更なし

 というものでした。

「でも、家で勉強を教えるのは相当大変でしょう」と思ったあなた。もちろんその通りなのですが、それでもラクであることは、丁寧にお話ししたいと思います。

 通塾していても自宅で親が一緒に勉強している家庭が今の中学受験の大多数であることから、勉強を教える部分さえクリアできれば、通塾させるよりはるかにラクだと考えたのです。

 また、家族で共有できる具体的な目標を持つことも重要です。たとえば

「何が何でも灘中に合格!」
「土日は勉強なしで偏差値50」
「睡眠時間は必ず9時間」
「きょうだいの時間は削らない」

 など、目標は家庭によって異なって当然です。大切なのは、その目標を家族全員で共有し、同じ方向を向くこと。それによって、日々の判断基準が明確になり、家族の一体感も生まれます。

同じ目標や目線を
家族で共有する

 もちろん、途中で目標を変えたっていいんです。どうしても達成が難しくなってしまった場合は、改めて目標を設定し直すことも重要です。明らかに達成が難しい目標の場合は、モチベーションが下がってしまいますからね。

 また、目標は変えずとも、そこに向かうやり方を柔軟に変えていくことも大事だと考えています。進捗が悪い場合にはリカバリーする努力をしなければいけません。

 長男の場合も「100%塾なし」にはこだわりませんでした。1人で勉強を続ける毎日に飽き、成績も伸び悩んだ小学6年生の秋からは、同じ志望校を目指す子どもたちと一緒に勉強することで刺激を与えたいと(通常の通塾はしませんでしたが)、早稲田アカデミーが日曜に開催している志望校別特訓を十数回受講しました。