
中学受験といえばお金も時間も労力もかかり、親子ともども疲弊してしまうイメージがないだろうか。そんな中、0歳児から中学生までの8人の子どもがいる家族で、しかも通塾なしで長男を開成に合格させた猛者がいるのだという。「どうせ地頭が良かっただけでしょ」
中学受験で親が抱える
“2種類の不満”
中学受験をすることを決めた後、最初にすべきことは何でしょうか。多くの方は「塾選び」から始めるかもしれません。
私の場合は、まずインターネット上の情報収集から始めました。“中学受験 ○○”で検索したり、中学受験のブログランキングを上位から順に目を通したりする中で、だんだんと塾や家庭教師の先生の話よりも、保護者の成功失敗エピソードをチェックすることの方が多くなっていきました。保護者がなぜそんなに大変なのかが気になったからです。
そこで気づいたのは、主に2種類の不満が蔓延していることでした。
(1)親の負担への不満
●送り迎えや弁当作り
●テスト結果やクラス替えへのストレス
●塾に通っていても自宅学習のフォローが必要
●ママ友関係の気疲れ
(2)費用への不満
●学年が進むごとに膨らむ塾費用
●講習会や特別講座の追加費用
●教材費・テスト代・交通費
●家族の生活スタイル変更に伴う支出
「授業についていけない」「成績が伸びない」といった子どもの学習面での不満よりも、親の精神的負担や費用面での不満の方が目立っていました。塾の月謝以外で、教材費・テスト代・交通費、それに塾で帰宅が遅くなる子どものためだけに別で夕食を準備したり、送り迎えの際についつい外食をしたりする食費など、目に見えない費用の負担も多くあることも気になりました。
単なる金額負担で終わればいいのですが、特に深刻な問題なのは、思い通りの成績に届いていない時に、それまでに支払った「お金」が理由で、子どものがんばりを否定したり、志望校のランクを落とすかどうかという重要な判断ができなかったりすることです。
「10万円も夏期講習代を払ったのに、成績が上がらない!」
「もうこんなにもお金を費やしたから今さら引けない!」
このような投稿をちらほら見かけることもありました。そうなってくると、親の精神的負担、費用の負担ともにどんどん重くなることは想像できました。
8人の子どもがいるわが家にとって、これらの問題は深刻でした。しかし、だからこそ「違う方法があるのでは?」と考えるきっかけにもなったのです。