もちろん、私たち大人でさえも仕事や友人との会話の中でわかったふりをすることはあります。だからこそ「わかった?」は、あまり意味がなく、子ども自身の言葉で説明させることが、理解への一歩だと考えます。

 オトクサ家の場合は、親が子どもの横について勉強しないので、ご飯を食べている時や寝る前の歯磨きをしている時に、今日覚えたことや解いた問題について簡単に会話するようにしています。国語で読んだ物語はどんな内容だったかとか、社会なら○○の乱はどういう乱なのかとか。

 その際に、子どもの「わかったふり」防止として、できる限り「なんで?」と投げかけるようにしています。

「なんで○○の乱は起こったの?」

「なんで△△は不満を持ってたの?」

 このような投げかけをするのです。そこで答えられないと、子ども自身も「あれ?覚えてたはずなのになぁ」と納得できずに、その後自分で調べに部屋に戻ります。

たった3文字「なんで?」
の威力がすごい!

 インプットしただけでなく、そのことに関して会話すること、子ども自身に話をさせることが大事です。子どもへの「なんで?」は大事な投げかけです。

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 親が子どもの横に座って勉強する必要はまったくなく、仕事や家事をしながら会話するだけです。自分が理解している必要もなく、「なんで?」「教えて!」と言うだけで勉強のフォローができるのです。

 また、この時大事なのはすぐに答えを言ったり、訂正したりしないこと。子どもが自分で考え、言葉を絞り出すのを我慢して待つことで、自分自身でわからないポイントに気づかせることが大事です。

 子どもには、「覚えるとき、解答や解説を読むときに、『オトクサになんで?って聞かれてもきちんと答えられるか?』ってことを考えてね」と伝えています。これを毎日繰り返すことで、だんだんとオトクサに聞かれるからではなく、自分自身の勉強として「なんで?」と考える習慣がつき、「納得しないと終わらない勉強」に変わっていきます。

※これはあくまでもオトクサ家の長男が当時実践した一例のため、実在の学校や塾、模試についての最新情報はご自身でご確認ください。