Diamond Premium NewsPhoto by Yoshihisa Wada

4月1日に三菱UFJ信託銀行の社長に窪田博氏が就任した。貯蓄から投資へとシフトが進む日本において、信託業務のニーズは今後さらに強まると話す。新社長としての意気込みについて、話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

企画系部署と営業を3往復
広く浅く経験したことが強み

――いつごろ、社長就任を伝えられたのでしょうか。

 2月14日に記者会見がありましたが、正式に言われたのは本当に数日前でした。指名・ガバナンス委員会からインタビューを受けていましたので、自分が選考のプロセスに入っていることは分かっていましたが、実際に社長に就任すると聞いたのは直前です。

――経営企画部やCSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)など、企画畑としてキャリアを積み、出世街道のど真ん中を歩んできた印象です。

 企画畑といっても、信託銀行は比較的現場が強いこともあり、実はこの20年間で経営企画部と現場を3往復しています。現場で法人営業をやり、さらに持ち株会社の財務局やCSO、ロンドン支店にも赴任しましたので、バランス良く経験させてもらっています。

 今は専門性を重視する傾向が強まっており、私のようにさまざまな部署を経験する人材が少なくなっています。法人営業を三菱UFJ銀行に移管したこともあって、広く浅く全ての業務を知っている人材が意外なほど少ない。経営企画と現場の両方を知っているのは、かえって自分の強みになっていると思っています。

金利上昇と株高によって、23年から金融業界には追い風が吹く。窪田新社長は国内・海外事業で他行と差異化が図れる事業をどのように考えているのか。次ページでさらに詳しく話を聞いた。