総予測2025#47Photo by Manami Yamada

2023年12月に就任した三井住友フィナンシャルグループの中島達社長グループCEO。新社長として奔走した24年はどのような1年だったのか。特集『総予測2025』の本稿では、足元の業績の評価や25年に向けた意気込みなどについて、話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

企業再編や戦略的投資が活発化
銀行のビジネスチャンスも増加

――2023年12月に急きょ社長に就任し、24年は慌ただしい1年だったのではないでしょうか。

 24年は、急逝した太田純前社長から経営を引き継いで、グループのビジネスをしっかり継続させること、良いモメンタムを維持することが命題でした。従業員の頑張りやビジネスパートナーが温かく見守ってくれたこともあり、維持できたと思っています。

 事業については、マイナス金利の解除をきっかけに、日本経済が本格的に再成長を始めた年でした。大企業を中心に、再成長へ向けて自信を深めていて、大規模な設備投資計画が積み上がっています。この流れは25年、さらに26年へ向けてまだまだ続くと思います。

 加えてPBR(株価純資産倍率)1倍の達成へ向けた企業再編や不採算事業の整理、戦略的な事業強化のための買収や投資が活発になっています。また、個人も投資活動が活発化しました。法人と個人の双方でビジネスチャンスが増えており、われわれの力を発揮できる環境になっています。

――24年度中間決算を踏まえ、足元の業績をどう評価していますか。

社長就任からちょうど1年が経った三井住友フィナンシャルグループの中島社長。前社長の急逝で就任したこともあり、“中島色”はまだはっきりとは見えないが、25年にはその一端が見えるのだろうか。次ページで24年の振り返りと、25年へ向けた展望を語ってもらった。