「こわくないと思った?残念、次が来たよ」朝ドラ恒例“こわい女”リレーが止まらない【あんぱん第18回レビュー】『あんぱん』第18回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第18回(2025年4月23日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

「超絶難度G」の人生をひた走るのぶ
NHKの“ちゃっかり”も楽しい第18回

 昨日も今日ものぶ(今田美桜)は走る。その姿に元気をもらう。今日も「超絶難度G」(『賜物』より)の人生を生きていこう。

 嵩(北村匠海)を殴ったのぶ。帰宅すると粛々と裁縫に励む。暴力と家事、この飛距離。裁縫が受験科目にあるのだから仕方ない。

 のぶが千尋(中沢元紀)のために嵩を殴ったと聞いた家族(女性陣)は、色めき立つ。しゅっとしてかっこい千尋。ゆくゆくは御免与町のゲーリー・クーパーだとくら(浅田美代子)とメイコ(原菜乃華)はキャッキャ。

 ゲーリー・クーパーを令和の日本人俳優に例えると、西島秀俊や内野聖陽、堤真一あたりだろうか。

 それよりもここで驚くのは、本日23日、NHKBSでゲーリー・クーパーの出る映画『昼下がりの情事』が放送されることである。ゲーリー・クーパーってどんな人と思ったらこの映画を見ればわかるという寸法だ。

 NHKもちゃっかり商売上手である。

 柳井家では、寛(竹野内豊)が間に入り、嵩と千尋が和解。寛はこの病院は自分の代で終わりにすると、嵩と千尋の諍いの元を絶つ。寛はほんとうによくできた人だ。あ、令和のゲーリー・クーパーは竹野内豊かもしれない。