「学校ガチャ、ハズレたかも…」説明会の“神対応の先生”が入学したらいなかった!よくある落とし穴とは進学塾VAMOS代表の富永雄輔さん Photo by Masato Kato

10年、20年先の社会の変化を見据えて、子どもの教育を考え始める親が増えている。幼児から高校生まで教える人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表が、教育の新潮流から、子供の学力の伸ばし方のヒントなどを解説する。連載第15回では、新学期が始まり新たな環境に戸惑う今こそ保護者に意識してほしいこと、進学に伴う「学校ガチャ」について解説する。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)

先生は変わるものだが
私立には変わらない何かがある

 昨今、「学校ガチャ」という言葉をよく耳にします。これは学校選びが運任せの側面を持つことを表現した言葉ですが、特に中学受験においても考えておくべき重要な論点となっています。

 私立中学を選ぶ際に、覚えておくべき前提があります。それは「先生は代わる」という点です。

 校長先生や教員の転職は公立だけでなく私立においても当然起こりうることです。「説明会に行った時の校長先生の話がすばらしいと思って期待していたら、4月に入学すると別の校長に代わっていた」というケースも珍しくありません。

 近年は私立学校でも校長先生のヘッドハンティングなどがあり、人の入れ替わりは珍しくなくなっています。

「働き方改革」の影響もあり、教員の異動(転職)や退職は今後も増える可能性があります。企業で「入社した会社の社長が代わる」ようなことは学校でも普通にあることで、自然な流れです。

 しかし、私立学校には先生が代わっても維持される「変わらないもの」があります。これが私立学校の大きな特徴であり、強みでもあります。学校選びにおいては、この「変わらないもの」は何かをしっかりと見極めることが重要です。つまり、「属人」ではなく「属組織」で学校を見る視点が必要なのです。