中学受験する?撤退して公立に行く?「究極の選択」の前に知っておきたい6つのポイント進学塾VAMOS代表の富永雄輔さん Photo by Masato Kato

10年、20年先の社会の変化を見据えて、子どもの教育を考え始める親が増えている。幼児から高校生まで教える人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表が、教育の新潮流から、子供の学力の伸ばし方のヒントなどを解説する。連載第16回では、中学受験を意識し始めた読者に向けて、私立中学校と公立中学校を比較する際の6つのポイントを取り上げる。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)

公立中学校に進学するなら
気にしておくべき6つのこと

 中学受験を考える際、比較対象として地元の公立中学校についても理解しておくことも重要です。公立中学校には私立とは異なる特徴があり、その特性を把握した上で判断することで、より適切な選択ができるでしょう。

 今回は、公立中学校を選択する場合に気にしておくべきポイントを6つに絞り、解説していきます。

1.流動性

 公立中学校の最大の特徴は「流動性の高さ」であると言えるでしょう。私立中学校と比べて、公務員である公立中学の教員は異動が頻繁に行われます。例えば、第一子の時にはいた良い先生が、下の子の代になると既に異動していたというケースは珍しくありません。

 この流動性は一見デメリットのように思えますが、見方を変えれば良い面もあります。例えば、特定の教員による良くない指導方針や校風が固定化されにくいという利点もあるのです。

 私立学校で「合わない先生」に6年間ずっと指導を受け続けなければならない状況に比べれば、公立では「合わない先生」とも長くて3年程度の付き合いで済む可能性が高くなります。