「デットガバナンス」だけでは救えない…サザンカファンドが株主として踏み込む中小企業再生の新潮流写真はイメージです
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

社外取締役を派遣しハンズオン支援

 本稿において再生ファンドとは、中小企業における事業再生の促進を図ることを目的とする、中小企業基盤整備機構や信用保証協会、地域金融機関などの出資を受けた公的な性格を有する官民一体型の事業再生ファンドを指す。再生ファンドを活用した事業再生は「自力再生」と「事業スポンサー型再生」の中間的な「財務スポンサー型再生」に位置付けられる。

 再生ファンドは投資実行後、社外取締役の派遣等によるハンズオン支援(図表)を通じて、組織面や経営管理面等のコーポレートガバナンスの再構築・強化を図る。その上で、投資先企業と目線を合わせながら一丸となって実現可能性の高いアクションプランを策定、実行する。そして、イグジット後においても自走できる体制づくりを行う。こうしたことから一般的な事業スポンサー型とは異なり、投資先企業の良い「DNA」を生かした再生を行うものだといえる。

 また、イグジットに際しては地域金融機関によるリファイナンスを検討するなど、地域内の金融取引の再構築により「企業を地域のエコシステムに戻していく」ことを目指している。