こうした発言をする人は自分自身で調べてみることもなく、他人の意見を鵜呑みにしてS&P500やオルカンに連動するインデックスファンドを選んでいる可能性が高いといえるでしょう。
私はそういった人たちのことを「伝聞投資家」と呼んでいます。加えて、「伝聞投資家」の中には他人の見解をまるで自分の説であるかのように述べる「受け売り投資家」もいます。
困ったことに「受け売り投資家」から別の「受け売り投資家」へと話が広まっていくうちに、あたかも伝言ゲームのように、最初の発信者の見解とは少しずつ齟齬が生じてしまうケースも考えられます。その結果、インデックス運用以外はすべて邪道であるかのように、かなり偏った論調が広まっている側面もあります。
S&P500やオルカン推奨は
伝聞投資家たちの曲解の可能性あり
「アクティブ運用はインデックス運用に勝てない」説を唱えている人たちの中には、偏った方向からしか分析を行っていない(あるいは、単に他人からの受け売りにとどまっている)ケースが数多く見受けられます。
新NISAによって急激に投資家層の裾野が広がり、投資信託という金融商品も身近な存在になりました。ただ、先に述べたように「伝聞投資家」が占める割合が高いのが実情で、私はその点が非常に気がかりです。
「新NISAがスタートしたから投資を始めたほうがいい」と誰かに言われて、特に自分自身では勉強したり調べたりすることもせず、「それで何を選ぶのがいいの?」と聞き返したところ、S&P500やオルカンを勧められたというのが「伝聞投資家」に見られがちな行動パターンでしょう。
こうして、「よくわからないけど、とにかくS&P500やオルカンがいいらしい」という人が増えていくのです。
私が危惧しているのは、多くの「伝聞投資家」が曲解している可能性があることです。新NISAがスタートしてからどちらの指数もほぼ右肩上がりを描いてきました。
言われるままに積み立て投資を始めてみると好調に推移していったことから、「S&P500やオルカンなら必ず上がる」と思い込んでしまった人が少なくないように思われます。