
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第25回(2025年5月2日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
嵩の伯父・寛(竹野内豊)の名言が
出てくる出てくる!!
ここでクイズです。
「伯父」と「叔父」の違いは?
『あんぱん』の字幕では寛(竹野内豊)は「伯父」になっている。千代子(戸田菜穂)は「伯母」。これを「叔父」「叔母」にしても間違いはないのか。いや、叔父と伯父には使い分けがある。叔父は弟。伯父は兄。つまり寛は嵩(北村匠海)の父・清(二宮和也)の兄であることが、説明せずとも文字でわかるのだ。
第25回は、嵩の伯父・寛の名言そうまくりだった。
「絶望の隣は希望や」
「なんのために生まれて何をして生きるか」
「人生は喜ばせごっこや」
これまで登場した名言を寛が語る回であった。
嵩に数学の公式を丸暗記するよう勧めていた寛だが、生きるための名言も丸暗記させようとしているかのようだ。そうか、『あんぱん』の世界線では嵩は伯父の言葉を丸暗記して、のちにこの言葉を作品に活用していくのだろう。
丸暗記が嵩の人生を決めた。