合格発表会場に寛がやって来た
登美子(松嶋菜々子)の姿も…
合格発表の日、嵩が学校でうなだれていると、寛がやって来た。ちょうど学会があったので、東京まで足をのばしたのだ。学会の会場は東京ではないようだ。どこだろう、横浜?
「絶望の隣は希望や」
寛は嵩を励まし、美味しいものを食べに行こうと誘う。が、まだ、嵩は発表を見ていなかった。見に行く勇気が出ず、しゃがんでいただけだった。
発表を見に行くと、辛島(高橋文哉)が「世話になったばい」と肩を落として去っていく。
知名度のある高橋文哉がキャスティングされているので、順調に同級生になるとばかり想像していたが、これでは嵩の合否も不安になる。
だが、嵩は受かっていた。数学の試験に、寛に丸暗記しろとアドバイスされた公式が出たのだ。どうやら運が向いて来た。さしずめ、人生は丸暗記や。
と思ったら、寛に抱きしめてもらっているとき、登美子(松嶋菜々子)が背後から見つめていたことに嵩は気づいていない。
大好きなお母さんが心配して見に来てくれていたことを喜ぶ機会を失ったのだ。「よく頑張った」と抱きしめてもらえたかもしれないのに。千尋いわくやっぱり「幸運と不運の分量が極端」なのかもしれない。でも合格できたから良いだろう。
嵩は合格祝いに、寛に銀座の美村屋につれていってもらう。清との思い出の味・あんぱんを購入した寛。店内に飾られた職人の集合写真のなかに、ヤムおんちゃんが交じっていたことにどうやら嵩は気づいていなかった。視聴者に対してはとっても親切にカメラがヤムおんちゃんの顔にズームアップしてくれた。
寛は、「なんのために生まれて何をして生きるか」の何を、人を喜ばせるためにあると寛に語る。
「人生は喜ばせごっこや」
職業や学業は何を選んでもいい。ただ、それは誰かを喜ばせるものであることが大事なのだということだ。
こうして御免与町に帰って来た嵩。ちょうど帰って来たのぶ(今田美桜)に美村屋の箱入りあんぱんを差し出す。傍らにいたヤムおんちゃんが「あんぱん屋の娘にあんぱん」と言いながら、祝と書かれた大きなあんぱんを嵩に渡す。
「あんぱんとあんぱんの物々交換になっちゃったじゃないかよ」と笑うヤムおんちゃん。
名言づくし、あんぱんづくしでおなかいっぱいの朝だった。