「どんなお客様に来てほしいか」を決めると、売上が変わる！

小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか？『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法　「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』（ダイヤモンド社刊）では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。前回の連載に続いて、さらに全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

売れる広告は「理想のお客様」を明確にし、
その人の心に届く言葉を選んでいる

　販促コンサルタントの岡本達彦です。

「広告を出しても反応が薄い」
「なぜか、来てほしくないお客様ばかりが集まる」

　そんな悩みを抱えている企業や店舗は少なくありません。

　その原因の多くは、「誰に向けて書いているのか」があいまいなまま広告を出していることにあります。実は、反響のない広告ほど、こんな特徴があります。

　・「誰に向けて」のメッセージがぼやけている
　・誰でもいいから来てほしいという無差別感が出ている
　・逆に、売り手の都合だけで話を進めてしまっている

　反対に、売れる広告は「理想のお客様」を明確にし、その人の心に届く言葉を選んでいます。

「誰でもいい」は、結局「誰にも刺さらない」

　商品やサービスに自信がある人ほど、こう考えがちです。

「うちは年齢性別問わず、どなたにもご利用いただけます！」

　でも、それをそのまま広告にしてしまうと、誰の心にも響かないぼんやりしたメッセージになります。人は「これは私のための商品だ」と思ったときにだけ、反応します。

　つまり、絞る勇気こそが、広告の反響を生む第一歩なのです。

「理想のお客様」は属性ではなく状況で考える

　ターゲット設定というと、年齢・性別・居住地・年収などの「属性」で区切ろうとする人が多いです。もちろんそれも大切ですが、広告ではそれ以上に「その人が今どんな状況・感情にあるか？」が重要です。

　たとえば、
　・「仕事のストレスで最近眠れない30代男性」
　・「子育てに追われて自分の時間がない40代のママ」
　・「初めての相続で不安だらけの50代後半男性」

　このように、その瞬間の悩みや困っている状況を想定して言葉を投げかけることで、読み手は「自分のことだ」と思ってくれるのです。

ターゲットを絞ると、こんなに広告が変わる

　例① ：整体院
　×「肩こりでお悩みの方、ぜひ一度ご相談ください」
　◎「育児で肩こりがつらいママさんへ。お子様連れOKの整体です」

　例② ：保険相談
　×「保険の見直しはお気軽に」
　◎「子どもが生まれたばかりの方へ。今必要な保障だけに絞ってご提案します」

　例③ ：美容室
　×「どなたでも歓迎！」
　◎「40代からの髪型に悩んでいるあなたへ。若作りじゃない自然なボリューム感をご提案します」

　このように「あなたに話しかけていますよ」という広告だけが、相手の行動を引き出すのです。

「来てほしいお客様」を先に決めると
すべてがスムーズに動き出す

　ターゲットを決めることは、広告だけでなく、ビジネス全体の質を上げてくれます。

　・来てほしくない客層が減る
　・クレームや不満が減る
　・リピート率が上がる
　・スタッフの負担が軽くなる

　つまり、理想のお客様に届くメッセージを作るだけで、売上だけでなくストレスも減るのです。

理想のターゲットを見つけるための
3つの問い

　①「今、いちばん喜ばれているお客様は誰？」
　→ 実際に来てくれているうれしいお客様像を明確にします。

　②「その人はどんなきっかけで来た？」
　→ ターゲットの状況や感情を想像して、言葉のヒントを得ます。

　③「その人にだけ伝えるなら、何と言う？」
　→ 広告は広く浅くではなく、深く刺さる1人に向けて作るのがコツです。

「伝える相手」が明確になった瞬間、言葉が変わる
言葉が変われば、反応が変わる

　広告は、届けたい相手が決まったとき、初めて力を持ちます。だからこそ、「誰でもいい」ではなく、「この人にだけは来てほしい」という覚悟を持つこと。

　それが、売上を変えるメッセージ戦略の第一歩なのです。