小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。前回の連載に続いて、さらに全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

テストと改善を繰り返す
試行型の広告戦略が求められている
販促コンサルタントの岡本達彦です。
「売れると思った商品が、まったく反応なし」
「競合が急に増えて、うちのサービスが埋もれてきた」
「世の中の流れが早すぎて、何が当たるのか分からない」
そんな先の見えない時代に、販促や広告で成果を出すにはどうすればいいのでしょうか?
結論から言えば、「未来を当てよう」とするのではなく、「反応を見ながら設計する」こと。
つまり、正解を探すのではなく、テストと改善を繰り返す試行型の広告戦略が今の時代に求められているのです。
なぜ今「試行型マーケティング」が重要なのか?
かつては、商品を開発し、時間をかけて完璧な広告を作り、大々的に投入する計画型の戦略が主流でした。
しかし今は違います。
・消費者の好みが移り変わるスピードが速い
・SNSや口コミの影響で「何がバズるか」は読めない
・小さなブランドでも突如注目される時代
つまり、誰にも「これが売れる」と言い切れない時代に入っているのです。
「売れるかどうか」は、
出してみなければ分からない
どれだけ社内で議論しても、机上の空論では答えは出ません。
今、必要なのは、小さく試す → 反応を見る → 改善するという「アジャイル思考」です。
たとえば、
・A/Bテストでキャッチコピーを変えてみる
・チラシの配布エリアを変えて反応を比較する
・SNSで投稿パターンを変えてエンゲージを観察する
このように、「考える」より「試す」を優先する販促姿勢が、成果を生む土壌になります。
試行型広告戦略の3つのステップ
ステップ①:小さな仮説を立てる
→ 例:「このターゲットには安心感の訴求が刺さるのでは?」
大がかりな商品開発ではなく、「打ち出し方」「言い方」「切り口」を微調整する仮説が鍵です。
ステップ②:最小単位でテストする
→ 例:100部のチラシを特定エリアにだけ撒いてみる/SNSで別々のコピーを投下する
低コスト・短期間でリアルな反応を確認します。
ステップ③:反応を見て改善する
→ どのパターンが反応を得たのか?どこで離脱されたのか?
「当たったかどうか」ではなく、「なぜ外れたのか?」の視点も大切です。
完璧を求めるな、
「7割でテスト」を習慣化せよ
多くの企業が広告を出すときにやってしまうのが、
「完璧なチラシができるまで出せない」
「反応が悪い=失敗」と思い込んでしまうこと。
でも、広告は一発勝負ではなく改善型ツールです。最初から完璧な広告を出すのではなく、
7割の完成度で反応を見ながら、より刺さる形に磨いていく。
これが、今の時代における現実的で成果につながる広告の出し方です。
「正解がない」からこそ、
行動した企業が勝つ
先が読めない、売れる保証もない。だからといって、何もしないわけにはいきません。
広告も販促も、「試さない限り、成果ゼロ」が続くだけです。
逆に言えば、動いている会社だけが、答えに近づける。
この連載で紹介してきたような広告設計のフレームを活かしつつ、小さく試して、確実に前に進む。これが、未来を読めない時代の唯一の突破口です。
「売れるか分からない」ではなく、
「売れる形に育てていく」
広告とは、商品を飾るものではありません。市場との対話を通じて、売れる形を見つけていくためのツールです。
未来が不確実な今だからこそ、必要なのは「やってみる→読み取る→変えてみる」の繰り返し。
その先に、思わぬヒットや、想定外のファンが生まれることだってあるのです。
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』(ダイヤモンド社)などがある。