小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。前回の連載に続いて、さらに全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

強みがない会社なんて存在しない
販促コンサルタントの岡本達彦です。
「うちの会社、何が強みなんだろう」
「正直、どこにでもあるサービスで、他社と差別化できてない気がする」
そう悩んでいる経営者の方は非常に多いです。
特に中小企業や個人事業主の現場では、「商品に特徴がない」と感じている方が少なくありません。しかし、私は断言できます。強みがない会社なんて存在しません。
見えていないだけ。あるいは、自分たちにとって当たり前すぎて気づいていないだけです。
「強み」とは、
他社に勝っていることではない
まず、大きな誤解を正しましょう。
「強み=他社より優れている部分」ではありません。強みとは、「その会社らしさが、あるお客様にとって価値になること」です。
たとえば、
・「古くて小さな店舗」は、大手にない親しみやすさ
・「商品点数が少ない」は、選ぶ手間が省ける
・「職人1人で運営」は、融通が利く柔軟対応
欠点だと思っていたことが、ターゲットによっては最大の魅力になるのです。
強みは「自分で決めるもの」ではなく、
「お客様が教えてくれるもの」
強みが見つからない社長の多くがやってしまっているのは、自分たちの視点だけで探そうとしていること。
でも本当に効果的なのは、「お客様の声」から逆算して強みを発見することです。強み発見のためのステップを紹介します。
強み発見の実践ステップ【3段階プロセス】
①お客様の声を集める
実際に買ってくれた人に、こう聞いてみましょう。
・「なぜうちを選んでくれたのですか?」
・「他と比べて、どこが良いと感じましたか?」
・「もし知人に紹介するとしたら、なんと言って紹介しますか?」
たったこれだけでも、驚くほど多くのヒントが見えてきます。
②共通点を探す
集まった声の中から、繰り返し出てくる言葉やニュアンスを抽出します。
例:
・「丁寧だった」「話をよく聞いてくれた」→ 共感・傾聴型の接客
・「営業っぽくない」「押し売りされなかった」→ 安心感・信頼重視
・「なんでも相談しやすい」→ 寄り添うパートナー型の姿勢
つまり、お客様はすでに「あなたの会社の強み」を感じてくれているのです。
③言語化して広告に活かす
共通するキーワードを、広告やチラシ、ホームページの中でこう表現していきます。
例:
・「売り込まない営業スタイルが選ばれています」
・「話しやすいとよく言われる接客を、ぜひ体感してください」
・「初めての方でも不安ゼロ。質問だけでも大歓迎です」
こうしてお客様目線の言葉で強みを表現することで、初めての人にも伝わる魅力に変わるのです。
強みが明確になると、
広告・営業・価格すべてがラクになる
強みがはっきりすると、販促の精度は一気に上がります。
・他社と比較されにくくなる
・価格競争から脱却できる
・自信を持って伝えられる
・スタッフの接客がブレなくなる
つまり、「何を伝えるか」が決まれば、「どう伝えるか」もスムーズになるのです。
強みは外にあるのではなく、
すでにあるのに気づいていないだけ
広告が刺さらない、営業が響かない、そんなときこそ、「強みの再発見」が必要です。
社内で悩み続けるよりも、お客様に聞くことが、最も確実な近道です。
強みは探すものではなく、掘り起こすもの。そのヒントは、いつも目の前のありがとうの中にあるのです。
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』(ダイヤモンド社)などがある。