MARCH対策は戦略が命

――もう1つの「ムダのない戦略」とはどういうものですか?

びーやま:MARCHの特徴は2つあります。1つは学部が非常に多いこと、もう1つは都心と郊外にそれぞれキャンパスを持っていることです。

 このことによって、MARCHの中でも難易度にはかなりバラツキがあります。たとえば、青山学院大学などは文系でも青山キャンパスの学部を受けるか相模原キャンパスの学部を受けるかで難易度は違います。

 加えて、学部によっては入試日程的に早慶と被る学部などもありますから、そうなると早慶志望はそちらを優先するので、MARCH志望勢の強力なライバルは減ります。

 ほかにもMARCH内で簡単に併願しないのもポイントです。近年のMARCHは大学ごとでかなり入試形態を変えてきています。たとえば英語の試験を廃止し、英検のスコアや共通テストの点数で判断する大学があったり、総合問題といって科目をまたいだ問題を出す大学もあります。

 短い時間のなかでこれらをカバーするのは不可能なので、勝てる見込みのある大学に絞るのは必須でしょう。

 ちなみに僕は、こういった形で目標に向かってどのような戦略を立てたらいいのか考えることは大人になってからも役立つと思っています。なので、実は大学選びそのものにも学びはたくさんあるのです。

――なるほど。ちなみに入りやすい大学・学部はあるのでしょうか。

びーやま:「ある」と答えられたらいいのですが、MARCHは正直どこも簡単ではありません。強いて言えば、「青山学院の相模原キャンパスの学部」「立教の新座キャンパスの学部」「中央の多摩キャンパスの学部」「法政の多摩キャンパスの学部」でしょうか。

 先ほどお伝えしたようにこのあたりは都心のキャンパスにある学部に比べると倍率が低くなる傾向があります。

 ただ、「こういったキャンパスなら行けるだろう」と踏んで、落ちてきた受験生をこれまで何度もみてきたので、正直難易度がガクッと下がることはまずないと思います。

――そのほかMARCH入試で気をつけるべきことはありますか?

びーやま:そうですね。当たり前ですが、勉強に手を抜いてるうちはMARCHは絶対に無理です。「今日はこんなものでいいかな」「明日からやればいいかな」と1日手を抜くだけでMARCHはどんどん遠ざかっていきます。

「毎日、自分の全力を尽くして勉強する」。これがMARCH合格に必須の心構えです。