【精神科医が教える】自分を責めるクセが抜けない人が見落としている、たったひとつのこと

「全部自分が悪い」は思い込み？ その原因と対処法
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』（ダイヤモンド社）など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』（ダイヤモンド社）だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる！

自分に原因があると思いすぎないで

今日は「なんでも自分に原因があると思いすぎないほうがいいですよ」というお話をしたいと思います。

何かうまくいかないことが起きたときに、「きっと自分が悪いんだ」「自分に原因があるんじゃないか」と考えてしまう方は意外と多いです。

落ち込んだり、自分を責めたり、変えなくてもいいところまで無理に変えようとして苦しんでしまう。そういった方が少なくありません。でも、これはある意味で「自分に原因があると思ったほうが楽」だから、という一面もあります。

自分に原因があるほうが“安心”できる？

もし問題の原因が自分にあるのなら、「自分が変われば、状況は良くなる」と考えることができます。つまり、「自分の責任なら、自分の努力で何とかなるかもしれない」と思える分、不安が少しだけ和らぐのです。

だから、無意識のうちに「自分が悪かったことにしておいた方が安心だ」と思ってしまうこともあるのです。

でも、本当に自分だけが悪いのでしょうか？

しかし、すべてが自分に原因があるとは限りません。相手が悪い場合ももちろんあります。とはいえ、「最初から相手が悪い」と決めつけるのも、また別の問題を生むので要注意です。

大切なのは、「自分だけが悪い」と決めつけるのではなく、「他にも原因があるかもしれない」と視野を広く持つことです。

他人からの指摘は“事実”とは限らない

誰かに「あなたのここが悪い」と言われたとしても、それが事実とは限りません。もしその人が、いつも他人を責める“他責的な性格”なら、自分の責任を他人に押し付けているだけかもしれません。

あるいは、交渉や優位性を保つために「お前が悪い」と意図的に言っている場合だってあります。そんなとき、こちらが「そうだね、自分が悪かった」とすぐ認めてしまうと、相手に“しめしめ”と思わせてしまうのです。

一度、冷静に「現状」を振り返ってみる

では、どうしたらいいのでしょうか？ まずは、自分の現状を冷静に見つめ直すことが大切です。

たとえば誰かに「あなたの性格が悪い」と言われたときに、「今の自分の状態に、何か問題があるだろうか？」と考えてみてください。

「今の自分」に問題があるかを見極める

「昔から仲良くしてくれている友達が何人かいる」「職場でも大きなトラブルはない」など、現状に特に支障がないのであれば、他人の意見を無理に真に受ける必要はありません。

一方で、最近になって急に人が離れていったり、孤立してしまっていたりするなら、その指摘に少し耳を傾けてみてもいいかもしれません。

指摘されたら、一度立ち止まって考える

誰かから何かを指摘されたときは、「これは事実かもしれない」と一度受け止めつつ、自分の状況と照らし合わせて判断してみてください。

そのうえで、「改善すべきところは改善する」「特に問題がなければそのままでいい」と、柔軟に対応すればよいのです。

なんでも自分のせいにしないこと

とにかく大切なのは、「なんでも自分のせいにしないこと」。

問題の本質を冷静に見つめ、自分の現在地をちゃんと把握したうえで、必要なときにだけ少しだけ自分を変えてみればいいのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』（ダイヤモンド社）の著者による特別原稿です。