地方国公立はとにかく特別な存在

――先生たちも生徒のことを思っての言動だと考えると無碍にはできないですね。

びーやま：そうなんですよ。別に先生のことは好きだし、お世話になっているし、自分のことを考えてくれているのも伝わるので、「地元の国公立大も悪くないかな」って思っちゃうんです。

　もちろん、先生が強引な人で、反発するように私立を目指す人もそれなりにいるとは思いますが、それはそれでかなりのストレスですよね。

――でも東京の名門私立だったら学校の実績にもなりそうですから、先生たちも積極的に進学を勧めていいと思うのですが、どうなんでしょう。

びーやま：それは意外と東京のロジックだったりするんですよね。もちろん早慶やMARCHも地方ではかなり評価される大学ですが、それとは別で「地元の国公立はえらい」みたいなのがあるところにはあるんです。「すごい」ではなく「えらい」というのが肝です。

　地方だと、県内の公立高校から地元の国立大が王道コースだったりするので、早慶がどうとかMARCHがどうとかではなく、そもそも別枠なんですよね。なので、先生たちもある種僕たちにエリートコースを歩んでほしいと本気で思ってくれて指導にあたるわけです。

――なるほど。そういうことなのですね。たしかにそういった環境だと、地元の国公立にするかMARCHにするか悩んでしまいますね。

びーやま：そうですね。「MARCHは少し気になるけど、先生も親も地元の国公立勧めてくるし、学費が安いのも事実だからな」と学生が考えるのは当然の流れだと思います。

――びーやまさんは、地元の国公立とMARCHだったらどっちにしますか？

びーやま：MARCH一択です。理由は3つあります。

　1つ目は僕が文系だからです。そもそもですが地方国公立とMARCHはどちらもいい大学です。レベルも高くいい教育を受けられるでしょう。ですが、知名度や学べる範囲を見てみると文系はMARCHのほうがなにかとメリットが大きいと考えています。

　MARCHはどこもメインは文系なので、もし自分が理系学生だったら研究環境などを考慮して地方国公立という選択をしているかもしれません。

　2つ目は就職面です。これは1つ目とも連動しますが、就職（特に文系）の際、地方国公立よりもMARCHのほうが圧倒的に知名度で得をします。文系の場合は研究室推薦などが基本的にはありませんから、学歴フィルターを突破するためにMARCHを選ぶのががいいかなと思います。

　加えて、日本の企業は都市圏に集中していますから、就活の際にMARCHだと移動なども含めて選択肢が多いのは事実です。