デューク大学で792人のCEOを対象に調査しました。すると、ある特徴がわかったんです。

 それは世界的なリーダーは「声の高い人」よりも「低い人」が圧倒的に多かったということです。

 そしてもうひとつ、特徴がありました。

 それは「声に抑揚があり、声のスピードに緩急のある人が多い」ということです。声に高低差やスピード差があるということです。

 たとえば、リーダーが高い声でこんなことを言ったらどうでしょうか?想像してみてください。

(かん高い声で)「みなさん、これからも会社を盛り上げていきましょう!」

 一方で同じ言葉を低い声で言ったときもイメージしてください。

(低い声で)「みなさん、これからも会社を盛り上げていきましょう!」

 高い声は実は脳の中で「危険と感知」されるんです。

 サイレンの音って高音ですよね。ピーッと音が鳴ると脳は危険を感知します。

 赤ちゃんの泣き声も高いですよね。「ギャー」と高い音で泣くのは何か問題が生じていることを伝えるためです。

 高い声を聞くと、人は注意を向けますが、そこには緊張が伴います。

図表:高い声は「危険と感知」する!同書より転載 拡大画像表示

声が高い孫正義に学ぶ
“間”と声色の使い方

 こういってしまうと「生まれつき声の高い自分はどうしたらいいんだ?」と思う人もいると思います。

 確かに声は生まれつきのものもあるので、変えるのは難しいですよね。

 そんな人でも、伝わる声の使い方があります。そのコツを知るには、ソフトバンクの孫正義さんの話し方が参考になります。

 講演で聞く孫さんの声は、低い声という印象はないと思います。どちらかというと高い声の部類ではないでしょうか。