
職場に向かっても、家庭に帰っても、ご機嫌斜めの相手と立ち向かわねばならない……そんなビジネスパーソンたちに、脳科学者である筆者がとっておきのトーク術を教えてくれた。逃げられない窮地を逆手に取りつつ相手のフトコロに入り込む、脳科学的にベストの立ち回りとは?※本稿は、西 剛志『結局、どうしたら伝わるのか?脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。
「感謝」を添えるだけで
伝わりやすさは格段にアップ
「あなたは私がお願いしたことを忘れることもあるけど、いつも私の意見に耳を傾けてくれて感謝している。少しでも改善しようとしてくれてありがとう」
伝える際に、相手に「感謝の気持ち」を一緒に届けると、伝わり方が大きく変わります。
「感謝の気持ちを伝える」ことはコミュニケーションをうまく生かせる大きなポイントですが、意外におろそかにされている行為でもあります。
「なんで感謝を伝えないのですか?」と聞くと、多くの人が同じ回答をしました。
「なんか、感謝を伝えると、相手に負けた気がする」「なんか悔しい」
この気持ち、わかります。そして、脳科学的にみても仕方がないのです。相手を認めることが、実は脳は不得意だからです。
相手を認めるためには、共感力が大切です。
しかし、私たちはネガティブな気持ちでいるとき、共感力が下がることが2018年のジュネーブ大学の研究でわかりました。