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人生の岐路に立ったとき、私たちは確かな答えを持てないまま選択を迫られる。文芸翻訳家の伏 怡琳氏が、中国古典の知恵を手がかりに、先の見えない状況のなかで心を支える視点をひも解く。※本稿は、文芸翻訳家の伏 怡琳『困ったときは中国古典に聞いてみる』(アルク)の一部を抜粋・編集したものです。
転職すべきか残るべきか
その答えが出るのはいつ?
【お悩み相談】今の会社にとどまるか、転職するか、で迷っています。10年お世話になった今の会社に恩は感じますが、転職した方が大きい仕事に就けそうです。どちらが正解かは10年後、もしかしたら20年後でないと分からないのかもしれません。
このお悩みと比べると大したことではありませんが、私が経験した出来事をまずお伝えしたいと思います。それは、ある休日の前夜のことでした。
車で近所の温泉へ向かおうとした時、まさかというアクシデントに見舞われました。入浴用の鞄を肩にかけ、立体駐車場に停めていた車に乗り込もうとした瞬間、脇に挟んでいた携帯電話が滑り落ちてしまったのです。その携帯は隙間に吸い込まれるように落ち、一直線に下の階の駐車スペースまで落下してしまいました。一瞬、何が起こったのか理解できず、思考が停止しました。
時刻は既に夜10時。しかも次の日は休日。管理会社の緊急連絡先に電話してみましたが、案の定、休み明けに専門業者に連絡するしかないとのこと。さらに恐ろしいことに、携帯電話を取り出すには、立体駐車場の十数台が入る一区画を丸ごと使用停止にしなければならないというのです。







