
人手不足の昨今、離職率は会社経営の重要な指標だろう。社員が辞めない会社には、共通してメンバー同士の「信頼」がある。脳科学の視点から見ると、その鍵は愛情&絆ホルモンのオキシトシンにあった。メンバーのやる気をアップさせるための環境づくりの7大要素をご紹介する。※本稿は、西 剛志『結局、どうしたら伝わるのか?脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。
脳科学の視点から見た
「いいチームのつくり方」
離職率が高い会社の経営者から相談を受けたことがあります。
「うちの会社は離職率が高く、採用してもすぐ辞めてしまう人が多いので困っています。社員のやる気を引き出せるように、いろいろ考えているのですが、なかなか歯止めがかかりません。どんなことをしていったら離職を止められるでしょうか?脳科学でこの問題を解決できないでしょうか」
なかなかの課題です。
なぜ離職率が高いのか、その理由を詳細にリサーチしないと問題の根っこがわからないからです。ただ、一般論としてアドバイスできることもあります。
それが、従業員エンゲージメントを高めるための脳科学的アプローチです。
従業員エンゲージメントとは、コミットメントや満足度、やる気とはまったく異なるもので、仕事や職場に対してどれだけ強い感情的な愛着を持ち、従業員がどれだけベストを尽くし、よい結果を目指すかを示す指標のことです。
エンゲージメントが高い従業員は会社のミッションやビジョン、目指すものへの共感度が高く、従業員自らが主体的に仕事や会社に貢献をしようとします。