エンゲージメントの高い組織をつくりたければ、チームメンバーのオキシトシンの分泌を増やす組織づくりをしていくことです。
ではどうやってオキシトシンの分泌を増やせばいいのか。その方法はいろいろありますが、利他的行動をしているときにオキシトシンの分泌が増えるといわれています。つまり、チームメンバー同士が助け合うことをあたりまえにしていくといいということです。
またリラックスできる環境も大切です。オフィスの一角に瞑想できるスペースや体を動かし軽くエクササイズができるスペースを用意するなども手かもしれません。
(2)の「リーダーが『人の気持ちを察すること』を大切にしている」という項目もオキシトシンとつながります。
世界38カ国の管理職6000人を対象に「どんなリーダーが部下から求められるか」を調査しました。その結果、部下がすばらしいリーダーとして認める条件の1番は「自分のことを理解してくれている人」でした。それにより「信頼感」が生まれ、「絆」が結ばれるのです。
そしておもしろいことに「リーダーが自分のことを理解してくれている」と思っている部下ほど、仕事で結果を出していることもわかりました。
卓越したリーダーになるには、「部下理解」が必要なのです。
最近のリーダー論では部下の理解や絆づくりは不要という見解もあるようですが、この調査では「部下理解」が卓越したリーダーの必須条件ということがわかっています。
命令されるのは大嫌いだが
自由すぎるのも勘弁してほしい
(3)の「選択できる環境が用意されている」もエンゲージメントと大きく関わる項目です。
選択ができる環境が用意されているメリットは、「自分ごと」になるからです。ここまで何度も書いてきましたが、人はとにかく命令をされたくない生き物です。
同じことをするにしても、命令されたことか、自分で選んでやっているかによって、やる気はまったく変わってきます。そして、このやる気は成果に結びつきます。
実際にハーバード大学の研究で「当事者意識を持つと、モノや出来事に対するコミットメントが5倍になる」というデータが出ています。