ただ、弱さと愚痴を混同しないでほしいと思います。

 弱さは改善するつもりがあること、愚痴は改善するつもりがないことです。ここをはき違えないでほしいと思います。

「こんなところが弱いんだけど、どうやったら改善できるかな」

 ちゃんと改善するつもりがあることが大切です。

昭和の遺産とわらうなかれ
毎日の朝礼はすぐれた文化

(6)の「情報の共有がしっかりと行われていること」もエンゲージメントにつながります。

 情報共有は実はオキシトシンとつながっています。

 組織がどこを向いているか不明瞭だとオキシトシンの分泌が抑制されるといわれています。

 コミュニケーションはできるだけ、まめに行いたいところです。

 エンゲージメントを高めるための共有と考えると、やはりオンラインよりもリアルのほうが、共有が進みます。

 日本の企業文化として、毎日朝礼をしている会社があります。あの朝礼を面倒と思っている従業員も多いと思いますが、実は朝礼にも大きな意味があるのです。情報の共有という意味では朝礼はいい文化です。

 ただ、共有する内容が自慢話だったり、自分ごとにならないような歴史の話だったりすると、意味が薄れてしまいます。

 共有すべきは、目標の確認と目標に向けた現在の課題や成果などの話です。そして情報共有の頻度も大切です。

(7)の「チームメンバーの成功や個人の幸せに関心を示している」という要素も、信頼度につながる重要な要素です。チーム内で競争が激しく、相手を蹴落とそうとしているような組織ではエンゲージメントは生まれません。

 昔よくあった営業成績をグラフにして壁に張り出すような、ああいうあおりはエンゲージメントを下げる施策です。