感情をぶつけたのぶと、責めなかった寛。今日の名言「平行線」【あんぱん第34回レビュー】

姉妹の連携あって
御免与駅に走るのぶ

 メイコとしては、犬に似ていると言われてもあまり嬉しくない。大好きな健太郎に描いてもらった絵は大事にしたいが、そこにはロマンのかけらもない。のらくろ、ひげ生えてるし。

 メイコは、澄ましてごしごし洗濯しているのぶに、自分は勇気を出して告白したのだから、のぶも嵩に本心を伝えて仲直りすべきと迫る。メイコの告白はじつにたわいないものであるが、15歳のメイコにしたら大きな出来事だったのだろう。微笑ましい。

 それでものぶは洗濯ものをごしごし。そのあと、三姉妹でお裁縫をしているが、のぶは気持ちが抑えられなくなって駅へと走る。蘭子が気を利かしてお裁縫を代わってくれたおかげ。姉妹の連携がすばらしい。

 ところが、嵩はひとつ前の列車に乗って帰ってしまっていた。

「しゃんしゃん東京へいね」と言ってしまったからだと落胆するのぶに、寛(竹野内豊)がいつものごとく名言で慰める。

「いまは平行線に思えてもいつかふたりの道が交わるときがくるかもしれん」

 人間のできた寛は、のぶのことも嵩のこともどちらがいいとは言わない。いや、どちらのいい面を見ている。

 やさしく懐の深い寛の言葉にのぶはただ涙するのだった。

 のぶと嵩はゆくゆく結婚することがわかっているので、哀しいけんか別れも心配ないのだが、この時点でのぶはまだ嵩に恋心はなく、単なる友情なのだろうか。それとも自分の気持ちに気づいていないだけなのだろうか。

 また、健太郎はのぶのことを「すてきな子」と言い、メイコのことは「よか女の子」と言っていた。この言い方の差には何か意味はあるのだろうか。

 感情をぶつけたのぶと、責めなかった寛。今日の名言「平行線」【あんぱん第34回レビュー】