ベジタリアンは
脳卒中のリスクが高まる
牛乳や肉などの動物性タンパク質の中には、やる気ホルモンであるドーパミンの原料、チロシンというアミノ酸が含まれています。
また、リラックスホルモンのセロトニンを生み出すトリプトファンというアミノ酸も含まれています。肉や乳製品などのタンパク質から必要なアミノ酸を取り込めなくなってしまうと、脳内物質をつくることができなくなり、認知機能の低下を引き起こし、老人脳が加速してしまうリスクがあるのです。
また、動物性タンパク質は、筋肉をつくる原料にもなるため、フレイル(健康な状態と介護が必要な状態の中間の状態)を防ぐ効果もあります。また、筋肉を維持するためにも、動物性タンパク質が豊富に含まれる「肉・魚・卵」を、バランスよく定期的に食べることが最も効果的という報告もあります。
イタリア最高齢のエンマ・モラーノさん(没年117歳)は、長寿の秘訣は1日3個の卵を食べることだったそうです。100歳超えの長寿者が多く住むヨーロッパのジョージアの村の食事でも、毎日どんぶり1杯のヨーグルトを食べています。

西 剛志 著
高齢になると動物性タンパク質が脳にとっても体にとっても必要となることが、最新の研究でわかってきています。
ちなみに、野菜が体にいいからと野菜しか食べないのは、脳にはよくありません。
オックスフォード大学の研究では、ベジタリアンは脳卒中のリスクが高まることがわかっています。またほかの研究でも、61歳~87歳の107人に対して記憶テストや身体機能のチェック、脳のスキャンなどを行い、その5年後に同様のテストを行った結果、ビタミンBが不足している人には脳が萎縮する傾向が見られたとのこと。これは肉や魚、卵に含まれるビタミンB12の欠乏によるものとみられています。
この結果を見ても、スーパーエイジャーに肉好きが多いということの理由がわかります。