「やさしすぎる本」が語彙力を潰す? 読書のタイパを劇的に上げる方法とは
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

「読むだけで語彙力アップ」は本当か?
「語彙力を高めるには、本をたくさん読むべきだ」とよくいわれますが、僕はそこには、「国語的な負荷が軽すぎるという心配」が立ちはだかっていると思っています。
子どもたちがスマホを置いてまで読みふける本には、国語としての負荷が軽すぎるものもあります。
わからない部分がある本こそ、良い本
長い本を最初から最後まで読み通すことをオススメしているわけではありませんが、本を読んで子どもたちが多少なりとも“わからない部分”があるとしたら、少なくとも選んでいる作品自体は間違っていないと思います。
本当に国語力を伸ばす本というのは、いまのままだとわからない部分が多少あるようなものが適切だからです。それが適度な負荷となり、語彙力・国語力をアップさせてくれるともいえます。
児童文学の「やさしさ」が落とし穴に
子どもたちが難しさを少しも感じず、スイスイといくらでも読めるような本は、残念ながら語彙力を伸ばす本にはならないでしょう。その典型といえるのが、多くの児童向け小説です。
児童文学は子ども向けに書かれているため、使われている語彙もその使い方も、そして論理展開も単純すぎることが多いのがデメリット。スイスイ読めるのですが、これでは何十冊読んでも、なかなか語彙力は高まらないのです。
それでいて1冊読み終えるのに1時間くらいは平気でかかりますから、国語力をつけるには“タイパ(タイムパフォーマンス)が悪い”です。
「ちょっと難しい」文章に出会うことが、語彙力の伸びしろ
語彙力を伸ばしたいなら、「スラスラ読める」よりも「少し立ち止まって考える」くらいの文章を選ぶことが重要です。
わからない言葉が出てきたときに、「なんとなく意味を推測してみる」「文脈から察する」という思考プロセスこそが、語彙力を育ててくれます。
一文一文に「問い」を持って読む
たとえば、ある表現に出会ったときに「なぜこの言葉が使われているんだろう?」「もっと簡単な言い回しでもよさそうなのに、なぜこの語が選ばれたのか?」と考えるクセをつけると、読解力も一緒に伸びていきます。
ただ読んで終わりにせず、「問いながら読む」ことで、語彙の感度は確実に上がっていきます。
「わかりそうで、わからない」文章が、いちばん効果的
読んでいて「なんとなく言いたいことはわかるけど、完全にはつかめない」――このレベルの文章が、実は一番語彙力を伸ばします。
背伸びしすぎず、でも“ラクすぎない”文章に、毎日少しずつ触れる。その積み重ねが、無理なく、でも確実に国語力の地力を育ててくれるのです。
「国語力が高い子」は、“文章の格”を選んでいる
語彙力や読解力の高い子どもほど、「読みやすいだけの本」より、「読むときに少し考える本」を自然と好むようになります。
つまり、どんな本を読むかは、語彙力を伸ばす“戦略”の一部。タイパだけで選ぶのではなく、「読んだあとに何が残るか」で選ぶ視点を育てていくことが、将来の大きな差になります。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。