少し心理学的な話をすると、人は「クラスアップ」のような目標があったとき、2つの心理的ハードルをクリアしなければ頑張れません。ひとつは「これだけ勉強をすれば結果は得られる」と信じられるか(結果期待といいます)ということです。もうひとつは「これだけの勉強を自分はできる」と信じられるか(効力期待といいます)ということです。

 ざっくり説明すると、「やったって、どうせ成績なんか上がらないしー」(結果期待×)とか、「やれば成績は上がるんだろうけど、そんなにやるのは自分には無理!」(効力期待×)などと思っていたら、頑張る気力はわいてこないということです。あなたの子どもは「やれば上がる」「自分はやれる」と考えているでしょうか?「自分は努力をして結果を出せると信じている」でしょうか?

 もし、この質問の答えがどれも「YES」であれば、成績下位からあがっていくこともできるかもしれません。入会テストの結果、仮に下位のクラスからのスタートとなったとしても、「下剋上」にチャレンジしてみてもよいのではないでしょうか。

勉強以外での成功体験が
子どもに与える好影響

 もし、自分の子どもが伸びるメンタルを持っているかどうかわからなかったら、勉強以外の習い事でお子さんに成功体験が多いかを思い浮かべてみてください。伸びるメンタルは、成功体験の積み重ねで育つからです。例えば、サッカーや野球などで頑張ってレギュラーを勝ち取った、練習を頑張ってバレエやピアノの発表会でうまくやれた、そういった経験です。このような経験がある子どもは、勉強でも戦える子が多いです。

 逆に、お子さんのそういう「努力→勝利」の経験を、親のあなたが思いつかなければ、子どもにそういうメンタルはないのが普通です。「他の子を追い越してクラスアップできるような圧倒的な努力」は期待せず、子どもが成績上位になれる塾を選択したほうが無難です。そして「他の子を追い越す圧倒的な努力」ではなく、「昨日の自分を超えるちょっとした努力」ができるようにサポートし、小さな成功体験を積ませていきましょう。