米格付け大手ムーディーズ・レーティングスは16日、ようやく明白な事実を示した。それは、米国の債務が持続不可能な道筋をたどっているということだ。バイデン政権下で歳出が過去最高水準だったときにムーディーズが何をしていたのかを知りたいところだが、それでも今回の同社の対応は、現政権を担う共和党への警告になっている。慢性的な財政赤字と債務返済コストの上昇を理由に、ムーディーズは米国債の格付けを最上位から1段階引き下げた。同社は、米国債を2011年と23年にそれぞれ格下げしたS&Pグローバル・レーティングとフィッチ・レーティングスに後れを取った。ムーディーズの対応が遅かったのは、政府支出が経済成長を押し上げるというケインズ理論を信じているからかもしれない。
【社説】米国債の格下げは当然
債務の本質は共和・民主両党が止めたくない歳出の問題
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